愛を乞う人
「愛を乞うひと」(下田治美)は、読んでいて子供の虐待場面が生々しく、夜寝付きが悪かった。アットホームな作品だと思って読み始めたから余計にそう感じるのかもしれない。だが、私はこういう小説は苦手だ、悲しくなってしまうから。
<複雑な家庭事情により、孤児院に預けられていた照恵は、十歳の時、再び母に引き取られた。だが、いたいけな少女にとってそれはあまりにも苛酷な日々の始まりだった。情容赦のない母の仕打ち。何度も殺されかけた八年間。それでもひたすら母に愛を欲した。だが、祈りは届かなかった……。母への限りない憎しみと愛への渇望。その狭間で何年も彷徨い続けた照恵はいま、親子の絆をさがす旅へと向かう。各界から絶賛を浴びた生命を余すところなく描ききる感動の長編小説。>
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