偏読老人の読書ノート

すぐ忘れるので、忘れても良いようにメモ代わりのブログです。

臨場

 昨日の午後、滅多に聴かないCDを聴こうと思って選んだのがウォルター・デイヴィス「デイヴィス・カップ」。

 <「ルンバ・ヌンバ」で吹き出したら正常。苦虫を噛みつぶした顔のままだったら
異常。強力にブルーノートらしい一曲。プレステージにもリバーサイドにもない。
ブルーノートが尊敬されるのもヤユされるのも、こういう曲があるから。
デイヴィスは作曲にすぐれ、「スイート・ケイクス」は甘いが、この曲は中毒する。(寺島靖国)>
 一曲目の「スメイク・イット」がノレる。ドナルド・バード(tp)、ジャッキー・マクリーン(as)、サム・ジョーンズ(b)、アート・テイラー(ds)とブルーノートおなじみのメンバーの演奏が冴えている。「中毒」というところまでは行かないが、クセにはなりそうだ。

rinjyou.jpg

 「臨場」(横山秀夫)をテレビで映像化されたのを熱心に観た一人だが、原作も負けず劣らず面白かった。主人公の「終身検視官」と呼ばれる倉石捜査一課調査官の内野聖陽さんのイメージと少し違うが、組織に属さない(属せない)一匹狼の生きざまは読んでいてカタルシスを覚える。ついこの前、日帰り温泉の漫画コーナーで、漫画になっているのを知った。漫画はさすがに主人公の倉石は小説とほとんど同じイメージだった。シリーズ物でもっと続きが読みたくなるヒーローだ。

<臨場―警察組織では、事件現場に臨み、初動捜査に当たることをいう。捜査一課調査官・倉石義男は死者からのメッセージを的確に掴み取る。誰もが自殺や病死と疑わない案件を殺人と見破り、また、殺人の見立てを「事件性なし」と覆してきた。人呼んで『終身検死官』―。組織に与せず、己の道を貫く男の生き様を、ストイックに描いた傑作警察小説集。全八編。>

Last Modified :