真相
「真相」(横山秀夫)は、期待したほどではないが、読んでドキドキさせるストーリー運びはやはりうまい。
<事件の後に残る物とはなんだろう。そんな漠とした思いがこの連作集の出発点だった。 事件とは死者にとってのドラマではなく、死者を取り巻く人々の哀しみや懊悩――。 そうだとするなら、事件が終わった後にこそ人の胸を焼き焦がす「真の事件」が頭を擡げる。 >
小説も「終わった」ところから、読者の真の物語が頭を擡げるもののような気が…。
<犯人逮捕は事件の終わりではない。 そこから始まるもうひとつのドラマがある。 —息子を殺された男が、犯人の自供によって知る息子の別の顔「真相」、選挙に出馬した男の、絶対に当選しなければならない理由「18番ホール」など、事件の奥に隠された個人対個人の物語を5編収録。 人間の心理・心情を鋭く描いた傑作短編集>
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