日野啓三短編選集
「日野啓三自選短編集(上)」
違うペンネームで書いた処女作をはじめとした初期の作品を含む九つの短編が収められているが、三篇を残して読むのをやめてしまった。こういういかにも「私小説」っぽいものは私には合わない。分かってはいたのだが、黒井千次さんの例もあることだし、「食わず嫌い」は良くないと思って借りてきたのだけれど。残念だったのは芥川賞受賞作「あの夕陽」(1975年)が収録されていなかったことだ。
<初期から最新作までの中で、著者が自ら選んだ、上下巻あわせて16編を収録。著者が新聞記者だったころ、特派員として赴いたベトナム戦争のことを、帰国後つづった初の小説「向こう側」等を収録。
収録作 向う側.此岸の家.聖家族.天窓のあるガレ-ジ.夢を走る.孤独なネコは黒い雪の夢をみる.七千万年の夜警.鏡面界.風を讃えよ>
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