偏読老人の読書ノート

　昨日読んだのは「雪の夜のあと」（北原亜以子）

「慶次郎縁側日記」の番外編。登場人物が脇役にいたるまで丁寧に描かれていて、人情物としては、普通であれば忌み嫌われる敵役とでもいう人物にもスポットを当てる作者の視点は優しく新鮮だ。特に岡っ引きの吉次が魅力的だ。

すぐ読めたので続いて読んだのが同じく北原亜以子さんの「深川澪通り木戸番小屋」。こちらはシリーズ物の第一作。人情物としてよく描かれていて今までどうして読まなかったのか悔やまれる。二作目が楽しみだ。