偏読老人の読書ノート

すぐ忘れるので、忘れても良いようにメモ代わりのブログです。

俳句的人間 短歌的人間

寝る前にすこしづつ読んでいたのが「俳句的人間 短歌的人間」(坪内稔典)

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<日本人には俳句的人間と短歌的人間の2つのタイプがある。前者は客観的で冷静,自己をも茶化す道化的精神の持主.たとえば野村克也や夏目漱石。後者は主観的,自己陶酔的,真面目。たとえば長嶋茂雄や森鷗外。俳句嫌いの短歌好きを自認する俳人・坪内ネンテンが,2つのタイプの文芸の特質を論じ分けながら,日本詩歌の本質を語る痛快エッセイ>

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 そして同じ「ネンテン」の「柿喰ふ子規の俳句作法」

<柿くへば」の句に秘められた子規の俳句作法とは? 鼻血を流しながらも仲間と句会を続け,墨汁一滴に託して病床で随筆書きに励んだ子規.病気という不運を,病気を楽しむという思考に転じて,生活においても創作活動においても貫徹した「楽しむ」人生の作法.子規に魅せられた俳人ネンテンが,その魅力を軽妙に解き明かす.
 

<「二十五歳の子規がどのように暮らしていたかは即座に見当がつく.大学で好きでもない勉強をするよりも,早く自分のやりたいことに専念したいと思っていた.……ところが,私自身の二十五歳がどのような日々だったかはほとんど分からない.今や,自分のことよりも子規の方がよく分かる気がする.もちろん,これは気がするだけなのだが,実感として私は子規とともに生きてきた.子規について考え,子規について書いたり話したりする.そのようなことが長く私の日々の基調をなしてきた」(著者)>


二冊とも通して読むより、寝る前に(寝る前でなくても)少しずつ読むのに適していると思えるのだが。

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