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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「ターミネーター」 1984

ターミネーター [DVD]

★★★★☆

 

あらすじ

 機械対人間の戦争が繰り広げられる近未来。劣勢となった機械側は、ロボットを過去にタイムスリップさせ、人間側の指導者を産む前の母親を殺害しようとする。

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 シリーズ第1作。原題は「The Terminator」。108分。

 

感想

 将来の人間側の指導者を産む母親をめぐり、未来から送り込まれた暗殺ロボット・ターミネーターと、それを阻止するために追って来た人間側代表の戦いが描かれる。

 

 ターミネーターを演じるアーノルド・シュワルツェネッガーは、髪サラサラで爽やかで、ガタイはいいが頭は悪そうな風貌で現れる。最初は普通であまり怖そうな感じはないのだが、戦いを経るうちに段々と貫禄が出てきた。特に皮膚がはがれて機械部分が露出し、赤く光る目が印象的になる頃になるとなかなかの凄みがあって怖かった。

 

 

 これは敢えてそういう演出をしているのだろう。振り返れば最初のターミネーターが全裸で登場するシーンはどこか滑稽さも感じてしまうものだったが、これも計算で、最初にハードルを低く設定することでその後との高低差を大きくしようとしたように思えてきた。序盤からのギャップが大きくなるおかげで尻上がりに良くなり、どんどんと引き込まれていく。

 

 色々な要素が付け加えられてはいるが、基本的には逃げる主人公らと追うターミネーターというシンプルなストーリーだ。合間に休息の時間を挟みつつ、追いつ追われつをくり返す様子は、映画「激突!」を思い起こさせる。単純だが面白いプロットだ。

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 そしてそのシンプルな構造に付け加えられる要素は、タイムスリップやロマンスなど、邪魔にならずに面白さを付け加えるものとなっている。複雑になりがちなタイムスリップも、過去から来るだけで戻ったりしないシンプルなものだ。混乱することなく純粋に物語を楽しめる。

 

 

 ラストも、激しい炎に包まれてからの展開はロボットものならではだ。人間ならさすがに生きてはいられないが、ロボットなら死ぬこともない。終わったと思わせておいてからの、ロボットの体を剥き出しにして骸骨のように迫ってくる姿には、恐怖と絶望感がある。ストップモーション・アニメで作られた動きには愛嬌があったが、それでも何度も襲い掛かってくるしつこさには、ぐったりとして心が折られそうになる。

 

 それでも死力を尽くしてタフに戦い、最後は主人公自らがとどめを刺す。カタルシスのある結末だ。無駄のない良く出来たSF映画だった。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 ジェームズ・キャメロン

 

出演 アーノルド・シュワルツェネッガー/マイケル・ビーン/リンダ・ハミルトン/ポール・ウィンフィールド/ランス・ヘンリクセン/アール・ボーエン

 

音楽 ブラッド・フィーデル

 

編集    マーク・ゴールドブラット

 

ターミネーター

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  • アーノルド・シュワルツェネッガー
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ターミネーター (映画) - Wikipedia

 

 

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