★★★★☆
あらすじ
ベトナム戦争帰りの兵士を護衛に未知の島に乗り込んだ調査団は、巨大なゴリラを目撃する。
何度も映画化されている「キングコング」のリブート作品で第8作目。モンスター・ヴァース第2作目。原題は「Kong: Skull Island」。118分。
感想
未知の島に乗り込んだ調査団が、キングコングら謎の生物と遭遇する物語だ。大したストーリーはなく、島の不思議な生物の生態を観察する自然ドキュメンタリーでも見ているような感覚で気楽に楽しめる。キングコングがタコのようなものを捕食するシーンは面白かった。
ただキングコングが上陸してきた調査団を襲撃するシーンは、コングの無駄ひとつない動きに精密マシーン的なものを感じてしまった。そこは感情だけがほとばしる不器用な攻撃にして、荒々しいワイルドさを強調した方が良かったような気がする。
一方の調査団も、色々なメンバーで構成されているわりにはそれぞれの特色が活かされていない。多くは犠牲となるためだけに存在していた印象だ。だが意外なメンバーが途中退場するのは驚きがあって良かった。
そんなメンバーの中では、心の闇を見せるサミュエル・L・ジャクソン演じる部隊の指揮官が目立っていた。どこか「地獄の黙示録」を想起させたが、これはベトナム戦争、大佐、狂気とくると自動的にこの映画を思い浮かべるようになっているらしい自分だけかもしれない。
クライマックスは、キングコングと地中に住む巨大な爬虫類との対決だ。謎の生物同士の戦いで、どっちが勝とうがどうでもいい、みたいになってしまいがちなところだが、キングコングが人間側にいるように思わせてそれを上手く回避している。ただ、キングコングがなぜ人間側についているのかは謎だが。迫力があって素直に楽しめる戦いとなっている。
冷静に振り返ってみると、それなりの調和を保っていた島に外部からズカズカと乗り込んで来た人間が掻き回して勝手に騒いでいるだけ、と言える物語だ。ベトナム戦争を皮肉っているようにもみえるが、それに限らず世界のあちこちで見られる光景でもある。
スタッフ/キャスト
監督 ジョーダン・ヴォート=ロバーツ
脚本/原案 ダン・ギルロイ
原案 ジョン・ゲイティンズ
出演 トム・ヒドルストン/ブリー・ラーソン/ジョン・グッドマン/ジン・ティエン/トビー・ケベル/ジョン・オーティス/コーリー・ホーキンズ/ジェイソン・ミッチェル/シェー・ウィガム/トーマス・マン/テリー・ノタリー/マーク・エヴァン・ジャクソン/ジョン・C・ライリー/トーマス・マン/リチャード・ジェンキンス/MIYAVI
音楽 ヘンリー・ジャックマン
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