mochikoさんが書かれた『読み手につたわる文章 - テクニカルライティング』という本を読みました。
この本はビジネスの現場で必要な「相手に伝えたいことを正しく伝える」ためのテクニックが詰まった本です。
大事なことがコンパクトに詰まっていて、何度も読み返したり、他の人に紹介するのに適しています。この辺はどうしても商業出版だと一定のページ数が無いと出版が難しいので、同人誌として出版するのに向いている構成ですね。
いくつか「そうだよねー」と思ったトピックを拾っておくと...
読者層を決めてから書こう
自分も何らかの文書を書く時は、「誰が読むのか?」というのを常に一番考えて書いています。特に、特定の読み手が想定できる報告書などの文書は、まずはどこまで相手の理解度を前提条件として想定できるか?ということを考えます。不特定多数の人向けの文書では難しいですが、特定の人向け、特に直接コミュニケーションがとてる相手であれば素直に聞いたり、確認のための質問を投げたり、色々な方法で相手のメンタルモデルが探れます。場合によっては、質問を投げることで相手も”察して”、結果としてメンタルモデルが形成されることもあります。文書の中に全ての要素を書くと冗長になってしまう、盛り込み過ぎになってしまう時に、「結論から書く」方式も有効ですが、それ以上に「メンタルモデル」を形成するためのコミュニケーションを取る、というのも有効なテクニックだったりしますね。
いつまでに何をしてほしいのかを書こう
この人の文書は分かりづらいな、と思う時、自分がチェックするのは、「事実と推測が混ざっていないか?」「いつまでに何をやってほしいのか明確か?」という二つです。 特に後者に関して、ビジネス文書、特に報告書は「誰かの行動を変容するため」に書かれるはずなのに、そこがボヤけてしまうと何の意味もなくなってしまいます(でも案外、結論をボヤかす、何も言ってない文書を書く人って多いですよね...)
あと至るところでCahtGPTや、ATOKなど、道具に頼るところは頼ろう!というスタンスも、実用文を書くためのプラクティスとしてとてもいい姿勢だな、と思いました。そうですよねー、時間は限られていますし、何か名文コンテストをやっているわけでもないですからね。
そして、この本の最大の大好きポイントは、レビューに関する記載が充実しているところです。特に、特に、レビューする側の心得としての「4.1 レビュアー(レビューする側)のコツ」は年齢が高い、役職が上の人ほど絶対に読んで!今すぐ読んで!読まずにレビューしないで!と言いたくなる大事なことが書かれています。
ほんと目的を間違えたレビューだけはこの世から無くなって欲しいですよね...「このレビューの行き着く先は、精神的な鍛錬?」みたいなレビューは存在してはいけないのです。
と言うわけで、ビジネス文書作成に関わるみんなが読むべき1冊なので、みんなすぐに買いましょう!読みましょう!文書を書きましょう!レビューを(適切に)やっていきましょう!