前代未聞のことが起きた。11時50分から教育基本法特別委員会の質問に立っていたが、質問中に官邸調査委員会の資料『タウンミーティング調査委最終報告書』が届いたのである。速記を止めて、5分でも読めば判読できるが、与党席は「ダメだ。質問時間がなくなるぞ」と黙って読み始めると野次の嵐。それでも、法務大臣を呼んでいて「全7回の司法制度改革タウンミーティングのうち6回でヤラセがあったじゃないか」と追及すると、謝罪もせずに事実を認めた。
今日は冒頭から、2週間かけて入手した平成13年度前期・後期の随意契約9億3932万9495円の会計書類のデタラメさを突いた。第一、この請求書には日付がない。内閣府山本官房長に「この請求書はいつ受け取ったんですか?」と訊ねると、「ちょっとわかりません」という返事。受け取った日付もわからないそうだ。
電通の総額の請求書の下には、子会社である電通テックの請求書がとじこんである。この宛て先は「電通」御中であって、「内閣府」ではない。しかも、この請求書には、日付がないだけでなく、社判も代表取締役社長の印鑑もない。単なる紙なのか、本物の請求書なのか判らない。そこで、私は契約書に目を通した。第4条にはこう書かれている。
第4条 乙(電通)は、本契約により生じる権利又は義務を第三者に譲渡し、又は承継させてはならない。ただし、書面により甲(内閣府)の承諾を得た場合は、この限りではない。
そこで、電通が電通テックにタウンミーティングを執行するにあたって、第三者である子会社に委託するにあたって、「書面」の交付をしたのかどうかと内閣府に問いただしたが、「わかりません。したのかどうかも、わかりません」(山本官房長)という説明にならぬ説明でメチャクチャだった。
『最終調査報告書』は、45ページで「億単位の契約でありながら、契約締結時に見積もられた細かな旅費などの金額が精算額と1円単位で合致しているという不自然な点があることを発見した」と指摘し、「契約書の作成が実際の事業実施と前後してさかのぼって行われる「さかのぼり契約」の実態があった可能性が高い」と書いている。としたら、「日付のない請求書はいつつくられたのか」という疑問が浮上する。
塩崎官房長官に「この日付のない請求書の問題は最終報告書に書かれているのか。書いていないのなら、最終報告とは言えないだろう」と追及すると、なんと「読んでないのでわかりません」と逃げた。調査を命じた責任者が読んでいないとは何事だろうか。
内閣府提出資料「電通テック請求書」「同社会場関係費」「同社神奈川会場関係費」「内閣府宛『タウンミーティング一式』電通請求書」「同明細書・神奈川会場」(この2の下から2番目が出演者謝礼908166となっている)
→http://www.kiyomi.gr.jp/photo/20061213190004.pdf
[続編]ここまで書いたところで、質問の続きは明日ゆっくり質問主意書を詳細に作成しようと考えて確認すると、議院運営委員会で「期限は閉会日の2日前まで」と決められていて夕方5時までだと聞いて、あわててキーボードを叩いた。約45分で急いで作成し議案課に駆け込みで届ける。(内容は、明日公開予定)
『らくちんランプ』さんが今日の委員会追及を見てくれていたらしく、スピーディーにブログで紹介してくれている。ここで、引用させていただきたい。
内閣府を舞台とした、新たな架空請求詐欺事件の発生か?
13日の昼少し前(11:53開始)に衆議院TVで中継された、教育基本法特別委員会での社民党の保坂展人議員から出された質問に対する、内閣府の事務方の答弁には、心底驚いきました。
その保坂展人議員が行った質問とは、過去(H13年度の随意契約分)のタウンミーティング関連の事業支出の精算の際に、関連業務を委託した電通から送られてきた請求書には、日付の記載がなかった事と、電通がその業務を委託した関連企業(電通テック)の代表印が捺印されていなかったという、驚きの事実を発見したので、その事実関係を内閣府の事務方(山本官房長)に確かめたのですが、何と内閣府の事務方は、保坂議員の指摘をすんなりと認めました!さらに、日付無し請求書を禁止する、事務を改善する決定を、H17年8月29日に行っていたそうです!これじゃ国の借金が毎年増えるわけだ!
まあ、この電通が国に対して発行した請求書の件については、後でマルサ(国税局査察部)が電通に対して税務査察を行い、この請求書に記載されている経費が、本当に支出されたのかを確認すれば、その真偽が明らかになることですが、もしも、人件費等の経費が適性に支出されていなかったとしたら、これは内閣府の官僚と電通が連んで実行した「架空請求詐欺事件」なのかもしれません。
私は今日まで、様々な様式の請求書を見てきましたが、「日付」と「代表印」が欠落している請求書などというものは、一度たりとも見たことがありません。
(引用終わり)
報道は、官邸の調査委員会の出した「報告書」中心に行われ、安倍総理は「3カ月分の俸給の国庫返納」を官房長官時代の責任を理由に自己処分を発表した。少し、早すぎるのではないか。教育基本法特別委員会は明後日の会期末を睨んで、与野党の攻防が続いている。
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