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パレスチナの敵をストックホルムで討つな? 2

2009-08-24 20:13:52 | ãƒ‘レスチナかイスラエルか
つーことで、スウェーデンの Aftonbladet 紙がイスラエル軍の行動を批判した記事を出したことにまつわる騒動の続き。
前回については↓参照(手抜き)。
・パレスチナの敵をストックホルムで討つな?(2009年8月22日 flagburner's blog(仮))

今回は、イスラエル外相こと Avigdor Liberman 氏が今月20日に出していた声明から。
・FM Liberman reacts to Swedish article slandering Israeli soldiers(2009年8月20日 mfa.gov.il)

20日の声明では、Aftonbladet 紙への取材許可を取り消すことも検討することだけでなく、駐イスラエルスウェーデン大使こと Borsiin Bonnier 氏の見解も批判していた。
以下、2009年8月20日分 mfa.gov.il の声明から後半部分を引用しておく。

---- 以下引用 ----
(中略)
FM Liberman said that it was a pity that, after Swedish Ambassador to Israel Borsiin Bonnier did the right thing and condemned the article, thereby making clear that the newspaper did not represent Swedish views, the Swedish Foreign Ministry chose to distance itself from her remarks instead of supporting them.
The meaning of freedom of the press is the freedom to publish the truth, Liberman continued, and not the freedom to lie and slander.
A country that truly wants to safeguard democratic values should strongly condemn false reports that reek of antisemitism, such as the one published this week by the newspaper Aftonbladet, Liberman said.

“It’s a shame that the Swedish Foreign Ministry doesn’t intervene in cases of blood libels against Jews.
This is reminiscent of Sweden’s position during World War II, when it also failed to intervene.
The article published this week is a natural outgrowth of The Protocols of the Elders of Zion, and blood libels in which Jews were accused of adding the blood of Christian children to the Passover matzahs.”

---- 引用以上 ----

問題の Aftonbladet 紙の記事がスウェーデン政府の見解じゃないということを批判するのは、暗に jpost.com 等のイスラエルのメディアもイスラエル政府の見解を伝えてるってことを言いたいのか?(違)
つーかそれが事実だとすると、「イスラエルでの表現の自由って何?」って話になりかねないが。


これについて、Aftonbladet の編集長こと Jan Helin 氏が一連の騒動について釈明をしてきた。
正確には、Liberman 氏への批判も含まれてるが・・・。
・Israeliska utrikesministern bortom sans(2009年8月21日 blogg.aftonbladet.se;スウェーデン語)

つーことで、Helin 氏の釈明を適当日本語訳にしてみた。
例によって、訳文の正確性は一切保証しな(略


---- 以下訳文 ----

8月20日の夜は、Aftonbladet 紙へのイスラエル政府からの理由なき大きな批判の新たな段階を迎えた。
Jerusalem Post がイスラエル外相の Avigdor Liberman 氏が、という記事を[Web 上で]読んだが、事実だとは信じられない。

Jpost.com のアドレスを確認した。
偽サイトか?
いや、俺が見たのは紛れもなく Jpost.com だ。
イスラエル外相こと Liberman 氏は、Jpost.com の記事によると以下のように述べたはずだ:

・スウェーデン外務省は、第2次大戦中のスウェーデン政府がユダヤ系を保護しなかったという態度を想起させるかの如く、Aftonbladet が[問題の記事を]出したことを恥だとして削除を求めてない。

・すでに削除された駐イスラエル大使 Elisabet Borsiin Bonniers 氏の声明では、スウェーデン大使館のサイトの声明が Aftonbladet 紙を支持していると思える。

・イスラエル政府は、Aftonbladet 紙へイスラエルにおける取材許可を取り消すことを検討している。

・スウェーデン政府が Aftonbladet 紙が例の記事を出したついて懸念を示さなかったことは、イスラエルとスウェーデンの外交関係に悪い影響を及ぼす。

・Liberman 氏は、スウェーデン外相の Carl Blidt 氏が大使である Elisabet Borsiin Bonniers 氏の声明と違う見解を示してることに強く抗議するつもりだ。

この記事がぶち上げた批判と文化的問題から招いた反発が、[イスラエル国内外で]広がることに気付かなかったくらい無神経だったことは認める。
だが声明は受け入れられない。
イスラエル外相の声明は、全く持って無意味だ。

Liberman 氏が示した怒りは、Bildt 氏自身が Blog でこの問題について例の記事を撤回させなかったコメントを出すいう結果も招いたようだ。
Bildt 氏はこう書いていた:

『イスラエルの一部の人達はスウェーデン政府やどこかの誰かが例の記事を削除することや、そうした記事が出ないように[政府が]干渉することを求めてすらいる。
しかし、スウェーデンではそうではないし、政府もそうするつもりはない』
『スウェーデンの憲法は、表現の自由と出版の自由を強く保障している。
そして、これはスウェーデンの民主主義とこの国に大きく貢献している』

正直、俺は Bildt 氏のことは[おそらく過去に Helin 氏と]違う見解を示している以上信じていない。
だが、この声明を歓迎するし、外相からの明確な姿勢表明も必要なことなので・・・。

で、どのように駐イスラエル大使 Bonnier 氏に対応するべきなのかという問題が残されている。
Aftonbladet 紙の記事に対する政府の名前で出した英語による声明への批判については、成り行き上でのことでもないし非常に不名誉なことである。

Svenska Dagbladet 紙の記事によると、Aftonbladet が出した記事への懸念については理解しているという。
イスラエル大使第 1秘書の Benjamin Escaig 氏は、Svenska Daggladet 紙にこう述べた[訳注]:
『声明を支持するだけだ。
公開する必要はないと判断したので削除した』

ありとあらゆる理由をつけて、大使としての Bonnier 氏の話が続くことになるだろう。
スウェーデン政府は、表現の自由と出版の自由について全く異なる見解を出すはずがない。
だが、今生じてることはそうではない。
イスラエルとスウェーデンの外交問題は、[この件で]すでに厳しい局面に入っているのだ。
この記事もイスラエル政府の方々が翻訳して読まれることはわかりきっているので、以下に俺の見解を示しておく。

俺は人種差別主義者ではない。
反ユダヤ主義者でもない。
Aftonbladet は、反ユダヤ主義の新聞でもない。
逆に、外国人嫌いについて明確に反対する姿勢を取ってるのだ。



訳注:問題の記事は↓
・Ambassadör ångrar sig inte(2009å¹´8月21æ—¥ SvD;スウェーデン語)

---- 訳文以上 ----

ちなみに、駐イスラエルスウェーデン大使館のサイトには、例の一件については一切触れられてない。
誰かキャッシュで保存してくれてればな・・・。
つーか、Helin 氏の釈明って、例の一件に関する釈明としてはちと弱いような気がするぞ。


話を戻す。
最初に触れた Liberman 氏の見解・・・とりわけ第二次大戦中のスウェーデン政府の対応については、国外からも批判が出ていた模様。
・Comment / Lieberman wrongly stirring scandal over Sweden article (2009年8月23日 Haaretz.com)

ここの記事では、1930年代のスウェーデン政府のナチスへの対応を批判しつつ、第二次大戦中の対応について Liberman 氏の見解をこっそりと批判していた。
以下、2009年8月23日分 Haaretz.com『Liberman wrongly~』から、後半部分を引用しておく。

---- 以下引用 ----
(中略)

During the war Sweden was neutral.
Many Swedes made a living, and a few became wealthy, as a result of trade with Nazi Germany; they also provided items that contributed to the efforts of the Nazi war machine.
It may well be the Swedes would have been able to look themselves in the mirror of history with greater pride had they decided at the time to join the war against the Nazis.
Either way, Swedish neutrality enabled the various rescue organizations, including Jewish groups, to base themselves in Stockholm and work from there in support of the persecuted.
The main rescue efforts were carried out with the acknowledgment of the Swedish government, and some even as a result of its initiatives.
(以下略)
---- 引用以上 ----

Liberman 氏の見解を Haaretz.com が修正するあたり、Liberman 氏が2009年8月20日に示した声明はトンだパーティジョークって奴だな。
要は、イスラエルではメディアの報道が政府の見解と一緒になってることを自ら証明してくれた(この場合は Haaretz.com 経由だけど)わけだが。
にもかかわらず Liberman 氏が「言論の自由」を云々するのは、実に馬鹿馬鹿しいとしか言いようがないわ。


それはそうと。
こういうイスラエル政府の態度を「他の国でも真似すべきだ」って思ってる人ってどれだけいるんだろうか?


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