ここ数日、コロナウイルスの変異種のニュースがとりざたされています。二回目のロックダウンのまっただなかのドイツですが、家にこもってばかりいてはいけないと思い、家の周りなどを歩きまわるようにしています。
先日、町の反対がわに用があって行ったついでに、人のいない住宅街を一回り歩いてきました。同じ街ですが初めて足を踏み入れる場所。30分くらい歩いたと思いますが、小雨の降る薄暗い日で、その間にすれ違った人は4人くらい。
道の途中にあったこの広告塔は、広告ポスターが剥がされたあとの状態でした。普段から広告塔の写真を集めているのですが、この何も貼られていない状態は珍しいと思って遠めの位置から全体の写真を撮りました。
近づいて狭い歩道側にまわると、ポスターの一部がまだ少し残っていました。ギリギリまで下がり、生垣に背中を押しつけながら、いちおうその広告も入るような写真を撮っておきました。
家に帰って、夕食後にその広告の切れ端部分を拡大して見ていました。「DM」ということは、通過がユーロに切り替わる前のドイツマルクの時代つまり2000年以前のポスターか。そしてさらにその「DM 14,–」を見てびっくり、これは翌日早く行って、雨風ではがれて飛んで行ったり新しいポスターがその上に貼られたりしないようにしなければ!
ということで翌朝にまた同じ場所に行ってまず写真に納め、ポスターの切れ端はここ数日続いていた雨のおかげで簡単にはがすことができたので資料として保存のために持って帰り、いま額に入れて飾っています。
この活版印刷で刷られたポスターに使われていた書体は、Futura に見えるかもしれませんが、Monotype の金属活字の Gill Sans の、ドイツでの変異種です。私の持っている1930年代の印刷物にも、これと同じ変異種が使われていた例があります。「Gill Sans」の名前のままドイツで使われていたのですが、英国でのオリジナルのデザインとはいくつか文字の形が違っています。このポスターで見る限りでは、M と 1 がオリジナルとは違っていますが、数字 4 と 8、5 そしてコンマは Gill Sans のままです。
Gill Sans のデジタル版 で組むと、こうなります。
この切れ端を見たときにすぐに気づかなかったのは、まったくの不注意でした。今日の天気は強風で横殴りの雨。数日遅かったらこのお宝が雨に流され、風で飛んで行ってしまったかもしれないと思うと冷や汗をかきます。これだから、裏通りの散歩の時でもつねに気をつけていなければなりません。
(12月29日追記)
欧文書体に詳しい Typecache の akira1975さんが、欧文デザインのコミュニティのスレッドの中から Gill Sans 変異種についての画像の載っている部分を紹介してくれました。他の文字がどのように変わっていたかを知りたい方は こちら へどうぞ。数字の4が私のこの記事のポスターのデザインと違っていたりして面白いです。
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