ハッピーなんて　サバシスターのこれから

サバシスターの2025年の新曲は大型タイアップとなった。あのauの三太郎シリーズでの2025年一発目のCMソングに抜擢された「ハッピーなんて」。

ハッピーなんて

 

この曲の注目すべき点は作詞作曲である。今回は作曲がギターボーカル・なちであることは変わらないが、作詞が篠原誠さんになっていることだ。この人は何者か？と思う方もいるがクリエイティブ・ディレクター。わかりやすくいうとCM作ったりする人。この人の作品は有名なものがいくつがあるが、今回はこのサバシスターとの関係だけにしておく。この「三太郎」シリーズの生みの親、かつCMソング作詞家だ。菅田将暉「見たこともない景色」やWANIMA「やってみよう」、桐谷健太「海の声」、AI「みんながみんな英雄」と、このCMから生まれた楽曲の作詞も手掛けている。

さて、ここからが本題。これまでサバシスターの作詞は原則「なち」が担当している。作曲も稀に「サバシスター」となるが原則「なち」。今回は有名CMシリーズということもあり、様々な制約が含まれているだろうし、なんせ「なち」作詞ではない。そんなときあの曲が思い出された。

サバシスターの「メジャーデビューのうた」という歌だ。自分たちのこれからを見据えた歌。「大人の人と手を組んだ　僕たち無敵さ」この曲でこういうフレーズがある。2024年にピザオブデスと契約し、ポニーキャニオンからリリースされめでたくメジャーバンドとなった。昨年の活躍、とくにフェス関連でよく名前を見かけたと思う。着実にファンが増えていると思うが、少し疑問符が付く感覚をおぼえている。個人的な感覚の話なので、不快に感じる方もいるかもしれないため戯言と思って聞いてもらいたい。

サバシスターが一躍世間に注目された名曲「ジャージ」のYouTubeでの再生回数は2025年年初で158万回。そして、下の写真のとおり2024年3月3日の段階で100万回再生を突破したのだが、その直後(3月8日)にメジャーデビューアルバム「覚悟を決めろ！」をリリースしている。私が何を言いたいかわかるだろうか？

「いまいち伸びてない」。もっとネガティブな言い方をすれば「思ったより売れてないんじゃないか？」ということ。実際、前述した「覚悟を決めろ！」のオリコンアルバムランキングで最高順位は18位。もちろんデビューアルバムでこの順位は大したものだが、あのピザオブデスがついていることと、アルバム宣伝で民放にて特集されているのを見かけたことを考えると少し意外な結果だった。もちろん数字でバンドの価値は測れるものではないし、そもそも好きな音楽を生み出してくれているから関係ない話だ。しかし、メジャーとなれば結果も要求されるのは想像出来る

以前SOFTBALLの記事を書いたときにメジャーの話について触れた。作詞がなちではなく大ヒットしてしまったときにこのバンドがどう感じるか。これは外野がどういったところで本人たちの感じ方なので何ともいえない。ただ、すごく良いバンドと思えるからこそこれからも存続して欲しいと思うことは1ファンとしての願いだ。

今回のタイアップは浦島太郎を紅白に連れて行ったCMソングだ。当時から比べるとインパクトが落ちた感じは否めないが、それでも日本中が目にする大チャンスだ。「あの歌なんてバンド？」という声が絶対増えている。「メジャーデビューっなんだろう？」なんて歌ったサバシスターは無敵になるに違いない、と思いながらMVをご一聴。

 

ハッピーなんて