GGR(ごんぎつねリローデッド)

 これは、私(わたし)が小さいときに、村の茂平(もへい)というおじいさんからきいたお話です。
 むかしは、私たちの村のちかくの、中山(なかやま)というところに小さなお城があって、中山さまというおとのさまが、おられたそうです。
 その中山から、少しはなれた山の中に、「ごん狐(ぎつね)」という狐がいました。ごんは、一人(ひとり)ぼっちの小狐で、しだの一ぱいしげった森の中に穴をほって住んでいました。そして、夜でも昼でも、あたりの村へ出てきて、いたずらばかりしました。

新美南吉 ごん狐

トゥルーEND

「ごん、お前(まい)だったのか。いつも栗をくれたのは」
 ごんは、ぐったりと目をつぶったまま、うなずきました。
 兵十は火縄銃をばたりと、とり落しました。青い煙が、まだ筒口(つつぐち)から細く出ていました。

新美南吉 ごん狐

ifルート(バッド)

母が逝ったことで天涯孤独になってしまった兵十。
失意のどん底に落とされた彼は村の鎮守に縋る。
下された神託は「呪いの元である悪狐を狩れ」
目を血走らせた村の衆によって行われる山狩り。
遂に発見される一匹の子狐。
なす術なく八つ裂きにされるごん。
「こ、これで俺は助かる……助かるんじゃ!」
もはや原型を留めないごんに何度も鍬を振り下ろしながら、虚ろな笑いを浮かべる兵十。
しかし彼を待っているのは誰もいない空虚な家のみ。
――結局、彼が取り戻せたものは何もなかった。

ifルート(グッド)

兵十が放った火縄銃の弾丸は、ごんが胸元に下げていたペンダントに当たって弾かれた。
「そ、それは……あの時、俺があの子にあげた……!?」
蘇るかつての記憶。
幼い兵十が、山中で出会った狐目の女の子。
ペンダントは、兵十が彼女に渡したものだった。
「ごん、おまいだったのか……!」
「やっと……気付いてくれたね、兵十」
突然、人語を話すごん。
その姿も、見る見るうちにあの日の少女の姿へと変わってゆく。
呪いにより狐へと心と姿を変えられていた少女。
兵十が彼女の本当の姿を思い出したことで、忌まわしき呪いが解けたのだった。
「兵十……ありがとう」
「ごん……」
見つめ合う二人。その視線の間に、もう言葉など必要なかった。
(CGNo.072〜081回収後、エンディング)

  • ルート分岐条件:
    • 第一章三日目の選択肢で「ペンダントを買う」を選び、四日目の移動先で「山」を選択すると山でイベント。
    • 第二章五日目の選択肢で「加助の誘いを断る」を選ぶと自宅でイベント。(加助の誘いに乗ると加助ルート確定)
    • 第四章二日目の選択肢で「獣耳とか最高だよな」を選ぶとイベント。
    • 第五章六日目の選択肢で「いえ、俺は多少毛深い方が……」を選ぶとイベント。(他のヒロインの好感度が最低に)
    • 以上のイベントを全て見るとグッドEND確定。ただしトゥルーENDフラグを立てているとそちらが優先される。

大造じいさんとごん

狐の度重なる悪戯に業を煮やした村の衆は、遂にある男を呼び寄せる。
百の獣を追い詰め、千の獣を討ち取った男――大造。
宿敵、残雪との死闘に区切りをつけた伝説の狩人が、村にやってきた。
培われた経験と優れた知恵、深い技術によりごんを追い詰めてゆく大造。
野生の勘と鋭敏な知覚を駆使し、間一髪のところで難を逃れ続けるごん。
「ガンが来る冬までにけりをつける」
冷徹に策を廻らす大造。
「雪に紛れる冬まで持ちこたえる――!」
極限まで感覚を研ぎ澄ますごん。
「――このままでいいのか?余所者に、ごんをやらせて本当に満足なのか……」
自問自答を繰り返す兵十。
それぞれの思いが沸点に達し、決着の時が訪れる。
深まる秋は、山を鮮血の色に染め上げていた……。

伝奇ミステリ編

この世を去った兵十の母親。
しかしそれはほんの始まりでしかなかった。
二番目の犠牲者は鰯に塗れて息絶えていた。
三番目の犠牲者は栗を口に詰め込まれたことによる窒息死。
必ず現場に残される狐の死骸。
姿なき殺人者の凶行は続く。
「“ごん”じゃ……奴が来たんじゃ!」
「もうお終いじゃ……」
怯える村の衆。
飛び交う猜疑の視線。
東京から来た探偵は、因習に閉ざされた村の秘密を解き明かす。
「あなたが――狐だったのですね」

生物災害編

この世を去った兵十の母親。
しかしそれはほんの始まりでしかなかった。
村に蔓延した謎の病原体により、次々と斃れる村の衆。
彼らの遺体は、死後間もなくすると動く屍となって人を襲い始めた。
腥風吹き荒れる死の巷と化す村。
僅かに生き残った人々は屍たちに戦いを挑む。
絶望的な戦いを繰り広げる彼らに、いつの間にか届けられる栗や松茸。

西部編

暴力と無法がはびこる無頼の荒野。
狐(フォックス)と呼ばれる殺し屋に母を殺された男。
彼は父の形見の古い火縄銃を手に、母の仇を求めさすらう。
追う者と追われる者。
やがて両者は寂れた街で邂逅を果たす。
彼らが、血を分けた実の父子であることをまだ誰も知らない。
銃声の果てに明らかになる真実、そして大地を染める血潮。
荒野の乾いた風が、悼むように啼いていた。

忍法編

乱世の遺風いまだ浅からぬ江戸初期。
主命により、若い命を散らしあう二人の忍びがいた。
根来の流れを汲む忍者、兵十。
風魔頭領の直弟子、ごん。
二人が各々の主君から下された命は、ある山里に隠された秘宝を持ち帰ること。
同じ目的を持って出会った二人の対立は必定であった。
しかし、その村に幕府の隠密集団までもが介入する。
主命を果たすため、一時的に手を組む兵十とごん。
いずれ雌雄を決する運命の二人は、異能の隠密相手にいかに立ち向かうのか……。

今川泰宏版ごんぎつね

  • 登場作品
    • 「ごんぎつね」
    • 「手袋を買いに」
    • 「最後の胡弓ひき」
    • 「鳥山鳥右ェ門」
    • 「サルト サムライ」
    • 「花のき村と盗人たち」
    • 「おじいさんのランプ」
    • 「病む子の祭」
    • 「久助君の話」
    • 「耳」
    • 「ごんごろ鐘」
    • 「赤い蝋燭」
    • 「牛をつないだ椿の木」
    • その他
  • あらすじ。兵十の父親が博士で、その遺した発明品のために兵十やごんが大変なことになる。全25話。

いたずら狐に困っています

Q: 近くに生息する「ごん」と呼ばれる狐のことです。
 この狐が大変いたずらを好み、何度も被害を受けています。
 以前、病気で臥せっていた母が食べたがったウナギを捕ろうと小川に仕掛をしたところ、この狐が台無しにしてしまいました。そのおかげで、母はウナギを食べられないまま亡くなってしまいました。
 狐はその後も私に何度もいたずらをしてきました。
 魚屋から盗んだイワシを私の家に投げ込んで、私を泥棒に仕立て上げました。そのお蔭で、私は魚屋に殴られてしまいました。
 また、なぜかクリやマツタケも私の家に投げ込んできます。こちらは特に被害があるわけではありませんが、意図がわからない分、不気味に感じてしまいます。
 我慢できずに火縄銃で狐を撃とうと考えたこともありましたが、狐は悪賢いので姿を現そうとしませんでした。
 こういったいたずらが続き、最近では全く気持ちが落ち着きません。一日中、狐に見張られている気がして安心できる時間がありません。物陰からいつも狐の視線を感じます。
 知人からは気にしすぎだと言われ、そんなに気になるようなら病院で診察を受けた方がいいと勧められました。
 私は狐がいなくなれば問題ないと思っていますが、勧められたように病院に行くべきなのでしょうか。


A: 事実がこのメールの通りだとすれば、狐はあなたを狙っている可能性があると思います。
 しかし、どうもこのメールの内容は解せないところがあります。
 野生の動物は餌付けでもされていない限り、なかなか人には近付いてこないはずです。ここに書かれているように、あなたの行動を監視し、いちいちそれに合わせて嫌がらせをするという手の込んだ形は、ちょっと考えにくい行動です。
 しかも長い期間に渡ってあなたがそれを無視してそれなりに生活をされているというのも想像しにくいところです。
そして、「○○が自分の行動を監視し、いちいちそれに合わせて嫌がらせをする」というのは、統合失調症の方の典型的な被害妄想の訴えでもあります。


 まさかとは思いますが、この「狐」とは、あなたの想像上の存在にすぎないのではないでしょうか。もしそうだとすれば、あなた自身が統合失調症であることにほぼ間違いないと思います。
 あるいは、「狐」は実在して、しかしここに書かれているような異常な行動は全く取っておらず、すべてはあなたの妄想という可能性も読み取れます。この場合も、あなた自身が統合失調症であることにほぼ間違いないということになります。