2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

おわりに

以上、全百話をもってkwaidanは一区切りということになります。読んでくださった方、ありがとうございました。 一晩で全部読めば百物語を完遂したことになり、何か起きるかも知れません。モニターから毛が生えた! とか。実際に何か起きたらご一報ください。…

百/ 定期演奏会 その四

この定期演奏会に関する一連の話は、私が高校生の時にSさんから聞いたものである。私自身、Sさんが所属していた吹奏楽部の十期ほど後の部員で、私が高校生だった当時SさんはOBとしてよく現役の活動をサポートしてくれていた。この話を聞かされたのは、…

九十九/ 定期演奏会 その三

前日のアクシデントが嘘のように本番はほぼ滞りなく進み、三部構成の二部までを終えた。 十分間の休憩を挟んで、さあいよいよ三部が始まるというときに、会場である体育館の天井がダーッ! と大きな音をたてた。どうやら雨が降りだしたらしい。屋根が高いから…

吸血鬼とバケモノとマクロの空と鹿とカブトガニ怪人

あまりテレビを見ない私ですが、『仮面ライダーキバ』は毎週観てます。 『キバ』は吸血鬼がモチーフということで、放送開始前は「素手で怪人を引き裂くハードでバイオレンスなダークアクションだといいですね」などと期待していました。だって脳内ヘルシング…

九十八/ 定期演奏会 その二

リハーサル中もおかしなことがあったという。 曲の通しの間、指揮者が怪訝そうな顔をしている。しかし演奏については特に口出しをしない。ならば音以外のことについて何か気がかりなのだろうか。Sさんはそれがずっと気になっていたが、とりあえずそのままリ…

九十七/ 定期演奏会 その一

Sさんが所属していた吹奏楽部は、毎年六月に定期演奏会を開催していた。現在、同校の演奏会場は市の文化会館を使用しているが、当時はまだ文化会館が存在しておらず、市内にある市営体育館を借りて開催していた。Sさんが三年生のとき、すなわち彼の現役最…

夏目ハード

google:三四郎 それから 門 漱石の三部作を検索したはずなのにシヲン三浦ばっかり出てくるのは一体何だというのか。オーウ、ファーックって脳内社長が言ってますよ。 『漱石ハード』 沙翁研究の為に倫敦に潜入する漱石。だが、それは子規の巧妙な罠だった。…

九十六/ 二人目

また、こんなこともあった。 ある日、Sさんが朝練をしようと音楽室に行くと偶々一番乗りだった。しばらく一人で練習していると、パッと扉が開いてトランペットのOさんが入ってきた。Sさんが挨拶すると、Oさんもおはよう、と言って奥の部屋へ入ってゆく。…

九十五/ 空耳

二十年近く前、高校生だったSさんは学校の吹奏楽部に所属していた。 ある時、クラスの用事で練習に遅れた彼が練習場所である音楽室に向かうと、到着しないうちに合奏が始まってしまったようで、音が廊下にも聞こえてきた。しかしそれを聞いて、Sさんはいさ…

きれいなジャイアン「おれは母ちゃんのどれいです」

タイトルは内容に関係ありません。ジャイアンに限らず、運命とは『眠れる奴隷』ですね。第五部・完。 コンニャクって煮物に入れると他の具より味が染みるのが格段に遅いため、いつも手を出すのを躊躇ってしまうので、煮物などのために味付のコンニャクを開発…