【国際女性デーとは】 （岩渕）　くらし☆解説です。今月８日は国連が定めた「国際女性デー」、各地で女性をテーマにしたイベントが開催されました。道傳解説委員とお伝えします。 パンとバラがあるのはなぜでしょうか。 【今年の焦点～女性の健康　母親の健康】 （岩渕）　１００年以上も歴史のある日なのですね。 （道傳）　今年のテーマは「女性が強くなれば、人類が強くなる」。 （岩渕）　どういう意味でしょうか。 （道傳）　女性が強くなる、というのは健康に元気に生活する、という意味と、能力を高め発揮できるようになるという２つの意味があります。人類の半分を占める女性の権利が守られ、健康で、元気に生活できるかどうかに、人類の将来がかかっている、というメッセージが込められています。日本では、「すべての女性が輝く社会」をめざし、女性が力を発揮できるよう、賃金や昇進での差別をなくすことや、子育てや介護への支援の充実、

産業技術総合研究所　招聘研究員　大川弥生 東日本大震災が起きて４年が経ちました。震災の犠牲になられた方々のご冥福を改めてお祈り申し上げます。震災後４年に及ぶ支援の経験から、効果的だったこと、また課題として残っていることを改めて整理し、これからの被災地における取り組みと、広く災害への取り組みに生かすことが必要です。更に平常時の、日常の中のこととして学ぶべき事もあります。その重要な一つとして本日は、高齢化が進んでいる我が国での、大きな課題でもある、｢高齢者の生活不活発病への対策｣を考えたいと思います。 実は生活不活発病は、平常時にも、とても起こり易いものですが、それについての知識の普及と取り組みは不十分です。このことが、被災地で生活不活発病が多く発生した大きな原因だとも言えると思います。｢生活不活発病｣は特に高齢者に起き易く、起きると改善しにくいものです。これを防ぎ、よくするには専門家だけで

ここに注目です。アメリカの来年の大統領選挙の最有力候補と言われている民主党のヒラリー・クリントン氏が、国務長官時代の電子メールをめぐって批判の矢面に立たされています。高橋弘行解説委員です。 Ｑ）高橋さん、どんな批判なのですか。 Ｑ）共和党はどんな点を問題にしているのですか。 Ａ）まず道義的な問題です。当時の国務省の規定では、公務で私用メールアドレスを使うことは禁止されてはいませんでしたが、セキュリティの高い国務省のメールアドレスがあるのになぜわざわざ私用のメールアドレスを使い続けていたのかということです。さらに私用メールアドレスを使った場合、内容を国務省に提出する必要があったのですが、彼女が公務のメールだとする５万５千ページ分を提出したのは去年の１２月。国務長官辞任から２年近くたっていました。 Ｑ）ずいぶんと遅い対応ですね。 Ａ）そうですね。共和党は、「どうも彼女は、自分に都合の悪いメー

東日本大震災から４年がたちました。被災地では、道路や港、住宅や商店が次々に完成し、見た目には復興が進んだところも増えてきました。しかし、未だにおよそ８万人がプレハブの仮設住宅で暮らすなど、被災者の暮らしは厳しい状況が続いています。 被災地は今、どうなっているのか、そして、被災者の「心の復興」には何が必要なのか、考えます。 一方、港に近い地区には、がれきを片付けて整地しただけの更地が広がっています。再び津波が襲うおそれがあるため、住宅が建てられないのです。 また、商店街や住宅地にはあちこちに空き地があるのが目につきます。資金が足りず、自宅や店を再建できない人や、街を離れてしまった人の土地です。この一つ一つに誰かの自宅や職場がありました。 釜石市の北にある大槌町は、町役場を含め、中心部が大きな被害を受けたため、土を盛って平均２メートルあまりかさ上げをする工事が始まっています。一から新し

東京工業大学教授　村山武彦 2011年3月の東京電力福島第一原子力発電所の事故によって、福島県内だけでなく、周辺の地域にも大量の放射性物質が拡散しました。放射性物質は汚染された焼却灰や稲わら、下水処理の過程で発生する汚泥廃棄物などの中に蓄積しており、その処分が問題になっています。 事故から4年が経った現在でも、処分の方法がまだ決まっていません。復興の足かせともなる、処分の問題。何が課題となっているのか、打開策はないのかなどについて、今日は考えてみたいと思います。 環境省の資料によると、福島県周辺の地域における指定廃棄物の分布は、図のようになっています。 これをみると、栃木県が多く、千葉県や茨城県が続いていることがわかります。国は、これらのうち、廃棄物の量が比較的多い５県にそれぞれ一箇所ずつ指定廃棄物のための最終処分場を、新たに建設する方針を示しました。しかし、具体的な候補地が挙がった

さいたま市大宮盆栽美術館　学芸員　田口文哉 2020年に開催される東京オリンピックは、いま多くの注目を集めています。ところで、同じように4年に一度開催される世界規模の祭典が、埼玉県さいたま市を会場として開かれることをご存知でしょうか。その祭典とは、今回で8回目を迎える「世界盆栽大会」――世界中の盆栽愛好家が集う、盆栽の祭典です。再来年の2017年4月、さいたま市で開催されます。 いまや盆栽は、世界規模の大会が開かれるほど、世界中で愛好者層を広げ、日本の伝統文化として認知されるにいたりました。それは、盆栽という呼び名が、「スシ」や「ジュードー」などと同様に、世界共通語として使われることが証明しています。 さて、世界盆栽大会の会場に、なぜさいたま市は選ばれたのでしょうか。それは、さいたま市には「大宮盆栽村」と呼ばれる、世界中の盆栽愛好家にとっての、いわば「聖地」が存在するからです。世界の盆栽

ひょうご震災記念２１世紀研究機構副理事長　室﨑益輝　 東日本大震災から4年を迎えようとしています。東北の被災地では、ほぼすべての地区で、復興の槌音が聞こえるようになりました。復興の工事が進んでいるところでは、新しい住宅が姿を表し、転居してきた被災者の生活を見ることもできます。ようやく一筋の光が見えてきた思いがします。とはいえ、それはまだ全体のごく一部でしか有りません。まだまだ多くの人々が、仮設住宅などでの不自由な暮らしを強いられています。 今、復興は大きな曲がり角に来ています。一方で、被災者の我慢は限界に来ています。他方で、復興の行く末が見えない状況が続いています。復興予算が大幅にカットされる期限も後1年と迫っています。このまま復興を進めるべきなのか、あるいは方向転換をはかるべきなのか、勇気ある決断が求められているのです。そこで、震災4年の節目にあたって、これからの復興のあり方を改めて問

（岩渕キャスター） 東日本大震災からきょうで４年。原発事故の影響でふるさとを離れて避難した人たちは今どうしているのでしょうか。避難している人たちから継続して聞き取り調査をしている早川信夫解説委員に話を聞きます。 Ｑ１．この時間では、これまでも原発事故から避難した人たちのことを取り上げてきましたが、今回はどんな傾向にあるんでしょうか？ Ｑ２．早川さんは新潟県を中心に聞き取り調査を続けているのですね？ Ａ２．そうです。原発事故の影響を心配して福島県から県外に避難している人は４万７千人あまりにのぼります。隣の新潟県は、震災直後に全国で最も多くの人たちが避難し、今もおよそ４０００人が生活しています。 もともと原発周辺の避難区域に住んでいた人たちとそれ以外の自主的に避難している人がほぼ半々でしたが、経済的な理由などから自主的に避難している人の割合が減り始めているのがこのところの傾向です。 そ

ここに注目です。国が復興に全力をあげる「集中復興期間」は、あと１年しかありませんが、その先の財源は決まっていません。二宮徹解説委員に聞きます。 Ｑ）集中復興期間があと１年です。復興の進め方に影響が出るおそれがあるのでは？ Ａ）国は、５年間は事業費を全額国庫から出して、自治体は負担しないという異例の対応をしています。道路や港の整備、高台の造成や被災者の生活支援など、あらゆる面に渡ります。 予算枠は来年度までの５年間で２６兆３０００億円です。 ところが、６年目以降どうするかが決まっていないのです。工事の遅れなどで使いきれていない分も支出先は決まっているので、余りもありません。 Ｑ）これまでの２６兆円は何が財源なのか？ Ａ）歳出削減や剰余金のほか、所得税や個人住民税などの増税分が１０．５兆円、売却予定の日本郵政の株が４兆円分です。しかし、実は所得税は２５年分、住民税は１０年分を計算に入れて

世界最悪レベルとなった福島第一原発の事故からきょうで4年。 廃炉に向けた作業は困難の連続。 最大の課題は汚染水。きのうもタンクの堰から汚染された雨水が敷地内に流出。 またタンクでの作業事故や、外洋へ流出し続けていた汚染水のデータが公開されていなかったことも明らかになり、福島の人たちからは信頼回復は困難との声。 現場で何が問題になっているのか、今夜の時論公論は福島第一原発廃炉への課題について水野倫之解説委員。 40年かかるとされる廃炉、現在の工程表では2020年に溶けた燃料の取り出しを始めることを当面の最大の目標。 今はその準備期間、ガレキや車両も撤去され、放射線量が下がった区域も増えた。 私は、先日福島第一原発を取材した際初めて、顔全面を覆うマスクではなく、鼻と口元だけを覆うマスクで構内を回った。 最も作業が進んでいたのは4号機の使用済み燃料の取り出し。 プール内の1500

【前説】　太平洋戦争末期、７０年前のきょう起きた東京大空襲は国内の空襲のうち最大のもので、２時間半の空襲で１０万人が犠牲になりました。東京大空襲以降、各都市への空襲が本格化し、　多くの民間人が犠牲になりましたが、こうした民間人の空襲被害についての救済はこれまで一切、行われてきませんでした。今夜は、この問題について考えます。 改めて、東京大空襲とは、どんなものだったのか。東京大空襲は、終戦の年の１９４５年、昭和２０年３月１０日、ちょうど７０年前のまさにこの時間から始まりました。木造住宅が密集する東京の　下町に３００機を超えるアメリカ軍のＢ２９の大編隊による焼夷弾の絨毯爆撃が行われました。およそ２時間半にわたる空襲で、投下された焼夷弾は、１６６５トンにも上り、燃え広がる火災の中で１０万人が犠牲となり、罹災した人は１００万人に上ると言われています。 この東京大空襲以降、国内の大都市を対象にした空

（岩渕） きょうの「くらし☆解説」の担当は、島田敏男解説委員です。テーマは「国会論戦と国民の視線」です。 衆議院の予算委員会を中心に行われている論戦では、様々な重要テーマが目白押しです。 これを国民の皆さんがどう見ているかですね？ ◇はい。安倍内閣の経済政策、政治とカネを巡る問題、そして集団的自衛権の行使を可能にする法整備の是非といったテーマに、国民がどういう視線を向けているかです。 ◇きのうまとまったＮＨＫ世論調査をもとに、国民の眼差しを読み解きたいと思います。 Ｑ１）まず、安倍内閣の支持率ですが、今月はかなり下がったようですね？ ◇先月よりも一気に８ポイント下がりました。 ◇今月の調査で、安倍内閣を支持すると答えた人は先月より８ポイント下がって４６％。支持しないは８ポイント上がって３７％でした。一気に差が狭まりました。 ◇安倍内閣の支持率は３か月連続で上向いていましたが

（寺門キャスター） 安倍総理直属の教育再生実行会議は、今月４日に大学を社会人の学び直しの場にすることなどを柱とする第６次提言をまとめました。その意味と課題について早川解説委員です。 Ｑ１．今回の第６次提言、どんな意味があるのでしょうか？ Ｑ２．未来図は描けたのでしょうか？ Ａ２．強く意気込んだけれど、地味な結果に終わった、そんな印象です。大学を社会人の学び直しの場に変えて、女性の活躍や地方創生を進めると提言しています。具体的には、ネットやスマホで大学の授業を簡単に受けられるようにしたり、奨学金などで経済的な後押しをしたりすることを考えています。ただ、提言をよく読んでみると、「検討する」という言葉が多く、歯切れの悪さが目立ちます。「検討はするけれど、やるかやらないかはその先に考える」という役所独特の言い回しです。それもすでに取り組みが検討されているものばかりで、熱心だった戦後教育の改革に比

ドイツのメルケル首相が、きょう、７年ぶりに日本を訪れ、安倍総理大臣と会談します。二村伸（にむら・しん）解説委員です。 Ｑ１．７年ぶりとは、久しぶりの訪問ですね。 Ｑ２．日本は遠い国なんでしょうか？ Ａ．Ｇ７の他の国々と比べると日本は距離だけでなく、関心の度合も低いようです。二国間の懸案がなく成熟した関係だからだという人もいますが、メルケル首相は今やＥＵだけでなく国際社会でも影響力のあるリーダーの１人です。世界３位と４位の経済大国として首脳どうしの相互訪問などもっと交流が活発になってほしいという声も上がっていました。というのもメルケル首相、実は中国には７回も訪れているのです。 Ｑ３．なぜ中国はそんなに多いのですか？ Ａ．巨大な市場があるからです。ドイツにとってアジアで最大の貿易相手国は中国で、貿易額は日独間の４倍です。自動車メーカーをはじめ数多くのドイツ企業が現地で生産を行い、フォルクスワー

政治とカネの問題が安倍内閣の足元を揺るがし始めています。閣僚辞任の後も、下村文部科学大臣の任意団体をめぐる不透明な資金問題が報道され、さらには、法律で禁止されている国の補助金を受けた企業からの献金が、安倍総理や民主党の岡田代表ら与野党の議員に行われていたことが次々に明らかになりました。 直ちに違法という訳ではありませんが、政治家全体に対する不信感にもつながっています。なぜ、こうした問題が繰り返されるのか。どう考えればいいのか。 今夜は、この問題をとりあげます。 連日、閣僚や野党幹部の政治とカネにまつわる問題が報道され、国会審議でも取り上げられていますが、「またか。うんざり」という方も多いと思います。 なぜ、こんなことが繰り返されるのでしょうか。 私は、大きく言って２つの問題があると思います。 ① まず、問題が指摘された閣僚が説明責任を果たしているのか。 ② 与野党に広がる企業や

京都女子大学客員教授　橘木俊詔 およそ20年ほど前に日本でも格差問題が論争の的になった時期がありました。日本で所得格差が増大したことが話題となりましたが、当時は新宿・隅田川あたりでホームレスが多くいましたし、一方で六本木ヒルズで象徴される富裕層の存在から、多くの人が格差を実感したのです。当時の論争の中で、小泉純一郎元首相の「私は格差を悪いと思っていない」という発言も論争に火をつけました。 ところがここ最近に至ってフランス人の経済学者、トマ・ピケティによる『21世紀の資本』が出版されてから格差論が再燃された感があります。彼は、資本主義は高所得者と高資産保有者がその富裕度をますます増幅させるメカニズムを内在的に秘めていることを理論的に証明しました。そして日本を含めた資本主義で経済を運営する約20ヶ国について、長期の所得と資産のデータを分析すると、どの国も1970～1980年代あたりからそれら