「トー横」で地面に座り込んで雑談に興じる若者たち。家出したのか旅行者なのか、大きいスーツケースを持った人の姿もある＝東京都新宿区歌舞伎町で2024年7月、斎藤文太郎撮影 厚い雲に覆われた、まだ寒い2月のある日だった。 金髪にマスク姿の男性が、東京・小菅の拘置所から姿を現した。両腕には大きな二つの紙袋。裸足にサンダルの足元は、季節外れに見えた。 この日、東京地裁で罰金30万円の有罪判決を受け、釈放された。新宿・歌舞伎町で市販薬の過剰摂取を繰り返した末に、他人に薬を無許可で販売したとして罪に問われた。 「塀の外」の空気を吸うのは約3カ月ぶり。「あの街にはもう戻らない。まっとうに生きる」。そう決意していた。

兵庫県職員が対象のアンケートでは、斎藤元彦知事のパワーハラスメントを目撃したとする職員が新たな疑惑を記している＝神戸市中央区で2024年8月20日、矢澤秀範撮影（画像の一部を加工しています） 兵庫県の斎藤元彦知事がパワーハラスメントなどの疑惑を文書で告発された問題で、県議会の調査特別委員会（百条委）が実施した県職員アンケートの結果、新たなパワハラ疑惑が複数指摘されていることが明らかになった。中間報告の自由記述欄には「瞬間湯沸かし器」「暴君」といった言葉が並ぶ。百条委は23日に詳細を公表する。 中間報告では、知事のパワハラを目撃したり、人から聞いたりしたとの回答が約4割に上った。「目撃した」と回答したのは59人、「実際に知っている人から聞いた」は466人、「人づてに聞いた」は1225人。自由記述欄には「怒るとバンバン机をたたき出す」「暴言を吐く」、気に入らないことに対して「無視」など日々の言

政治資金パーティー裏金事件などで猛烈な逆風にさらされる自民党にとって、9月の総裁選は、党の命運をかけた一大イベントとなる。総裁公選規程に基づけば最短で12日間あればよい選挙期間を、あえて過去最長となる15日間と設定したのは、強い危機感の裏返しに他ならない。国民の政治不信を拭い、支持を得られる選挙戦を実施できるかが最大のポイントだ。 全国遊説の回数増加か 「今回の総裁選は、自民党が変わる姿、新生自民党を国民の前に、しっかりと示すことが必要だ」 総裁選への不出馬を14日に表明した岸田文雄首相が記者会見で強調したのは今回の総裁選が持つ重みだった。 選挙期間を巡っては、自民党青年局が1日、「選挙期間を前例にとらわれず可能な限り確保し、開かれた総裁選を実現する」よう首相に申し入れていた。候補同士が政策を時間をかけて議論することで…

国連安全保障理事会（安保理）による対北朝鮮制裁決議への違反の有無を調べる専門家パネルが4月末、約15年間続いた活動を停止した。ロシアがパネル委員の任期延長議案に拒否権を行使したためだ。パネルがなくなれば、制裁破りへの歯止めは弱まる。北朝鮮の外貨稼ぎ活動は活発化しているのか。専門家パネルの報告書でも活動が指摘されるラオスで、「核開発の資金源」の実態を追った。 ＜関連記事＞ ・ラオスでうごめく北朝鮮ビジネスの影　ハッキングや資金洗浄の指摘も ・「外貨稼ぎ監視継続は不可欠だ」元北朝鮮制裁パネル委員・須江氏 7月27日夜、ラオスの首都ビエンチャン中心部の最高級ホテルを訪ねた。ちょうど同じ日に開かれた東南アジア諸国連合（ASEAN）地域フォーラム（ARF）に出席した中国の王毅外相やロシアのラブロフ外相らが宿泊したのも、このホテルだ。 北朝鮮レストランの名前は「東京」？ 目指したのは「東京」という名の