全国の神社仏閣で暮らすネコたちの姿を生き生きと撮った写真集「神様・仏様・おねこ様」を、一宮市三条の写真家小森正孝さん（47）が自費出版した。神聖な空間の中で、のびのびと過ごすネコたちの愛くるしい表情に心癒やされる一冊だ。 小森さんは10年ほど前から本格的にネコを撮り始め、現在はネコの専門雑誌で写真の連載をしている。今回の写真集は、今夏に東京と京都で開いた個展に合わせて制作。これまで雑誌の取材などで巡った東北から四国まで、全国約30カ所の寺や神社で撮ったネコたちの写真を収録した。 こま犬の頭の上に乗ってりんとした表情でたたずむ姿や、さい銭箱に手をかける姿など、かわいらしいしぐさを捉えたものが多い。四季の風景を撮影したものでは、雪の上で跳びはねて踊っているように見えるネコや、サクラの木の下で寝転んでいる様子なども楽しめる。

鳥羽水族館（三重県鳥羽市）は人気者のラッコの飼育40周年を記念した本を10月に刊行する。飼育の歴史をたどり、歴代のラッコたちを紹介。来館者が撮影したラッコの写真やイラストも掲載する。今月16日まで予約を受け付けている。 タイトルは「ラッコメモリアルBOOK　with　鳥羽水のラッコたち」。A5判横オールカラーで全112ページ（税込み2200円）。10月3日から館内の売店で販売する。飼育中の2頭の写真をプリントしたオリジナルブランケット付き（予約限定、税込み5800円）もある。 鳥羽水族館に初めてラッコがやって来たのは1983年10月3日。オス1頭とメス3頭で、翌年に国内初の赤ちゃんが誕生。全国的なラッコブームが起きた。 ピークの94年には各地の飼育数が計122頭に上ったが、現在は鳥羽で飼育している2頭のほかは、「マリンワールド海の中道」（福岡市）の1頭だけだ。 本では、給餌（きゅうじ）や健

児童文学作家の別司（べっし）芳子さん（６３）＝敦賀市布田町＝が、輸血治療が必要な犬を救うために血液を提供する「供血犬（きょうけつけん）」をテーマにしたノンフィクション「元気のゆずりあい　地下室にいた供血犬シロ」（フレーベル館）を出版した。「子どもたちに供血犬の存在を知ってもらうとともに、命の尊さを考えてもらうきっかけになれば」と願う。 主人公は二〇一七年九月、東京都内のある動物病院でボランティア活動を始めた都内在住の米国人ケリー・オコーナーさん。病院の地下室で、汚れた狭いケージの中で飼われていた供血犬六匹と出会い、衝撃を受けた。犬たちの暮らしを良くしようと地下室の掃除から始め、ＳＮＳ（交流サイト）で発信し、引き取ってくれる人を探した。犬たちの幸せのために奮闘するオコーナーさんの姿を追った。 別司さんは二一年二月、飼っていた雑種猫「つんつん」が足に大けがを負ったことをきっかけに動物の手術や輸

児童文学作家の別司（べっし）芳子さん（６３）＝敦賀市布田町＝が、輸血治療が必要な犬を救うために血液を提供する「供血犬（きょうけつけん）」をテーマにしたノンフィクション「元気のゆずりあい　地下室にいた供血犬シロ」（フレーベル館）を出版した。「子どもたちに供血犬の存在を知ってもらうとともに、命の尊さを考えてもらうきっかけになれば」と願う。 主人公は二〇一七年九月、東京都内のある動物病院でボランティア活動を始めた都内在住の米国人ケリー・オコーナーさん。病院の地下室で、汚れた狭いケージの中で飼われていた供血犬六匹と出会い、衝撃を受けた。犬たちの暮らしを良くしようと地下室の掃除から始め、ＳＮＳ（交流サ...

■作品「憂行日記」に登場 信州大付属中央図書館（松本市）は、旧制松本高等学校出身の作家北杜夫さん（１９２７～２０１１年）の日記に登場する昆虫標本を取り上げた企画展を、１０月２５日まで同館で開いている。日記は、北さんが同校在学中の１９４５～４７年にノート６冊につづり、昨年「憂行(ゆうこう)日記」（新潮社）として刊行された。昆虫採集のエピソードと、北さんが実際に採取した標本を合わせて展示している。 チョウやトンボ、甲虫類など日記に数多く登場する昆虫の表記とともに標本箱３３セットを並べている。一部は、信大図書館長で同大理学部の東城幸治教授（進化生物学）が未整理だった標本を整理した。標本には、国内初確認の昆虫や高山帯で見られる特殊な昆虫が含まれ、学術的にも貴重という。 美ケ原高原で採ったカワトンボやヒメギフチョウ、北アルプス燕岳―槍ケ岳の縦走で採取したミヤマモンキチョウなど…

ホタルやキノコなどの「発光生物」を二十年にわたり研究する中部大（春日井市）の大場裕一教授（５１）が、光る仕組みや研究の歴史などを紹介した本「光る生き物の科学−発光生物学への招待」（日本評論社）を出版した。大場教授は「発光の仕組みは生き物ごとに違う。まだまだ面白い現象がある」と、発光の不思議の先へ案内する。　（出口有紀） 著作では、一万種はいるとみられる発光生物が、なぜ光るようになったかという進化の研究を軸に、発光の仕組みや光の役割などを体系的に考える「発光生物学」を提唱。光るのは化学反応で、生物が自力で反応物質を合成するほか、光る仕組みは千差万別で、まだほとんど解明されていないことなどを紹介している。 現在のホタルの遺伝情報を用い、一億年前のホタルが放っていたと考えられる緑色の光を再現した最新研究も掲載。従来は、生態や発光メカニズム、光の役割などの分野でそれぞれ研究が進められてきた歴史にも

軽井沢町で人里に近づく熊を傷つけずに追い払っている職業犬「ベアドッグ」を紹介する児童向けの本「クマが出た！助けてベアドッグ」が出版された。野生動植物の保護管理に取り組み、ベアドッグを育成・実践する軽井沢町のＮＰＯ法人「ピッキオ」から２４日、地元の軽井沢西部小学校に本が贈られ、ピッキオのスタッフが児…

猫の写真に癒やされながら文学作品に出てくるちょっと難しい言葉を学ぶ本を、愛知県一宮市の写真家と東京在住のフリーライターが著した。言葉の意味に合うような猫の姿を載せていて、「猫好きな人も文学好きな人も気軽に読んで」と著者たちは話す。 写真家の小森正孝さん（45）は大阪芸大で写真を学び、印刷会社所属のカメラマンを経て、約10年前から猫の自由気ままな姿に焦点をあてている。 「1年間、猫の写真を毎日1枚見られるような写真集を出したい」と、旧知のライターのペズルさんに持ちかけたことが、出版のきっかけになった。 本は「366日のにゃん言葉」（三才ブックス、税込み2640円）。文学作品の一節から「難言葉」を取り出して1日1語ずつ、いろんな表情、態度を見せる猫の写真と組み合わせて解説する。 例えば「揣摩（しま）」という言葉は三島由紀夫の「金閣寺」を引き、「事情を推し量る」と意味を説明。植木鉢の中を何がある

かわいらしいネコの姿を眺めながら難しい言葉を学ぶフォトブック「３６６日のにゃん言葉」（三才ブックス刊）を、一宮市三条の写真家小森正孝さん（４５）が出版した。言葉の意味に合ったネコの写真が１日ずつ１年分掲載され、癒やされながら語彙（ごい）力を高めることができる優れものだ。　（猿渡健留） 小森さんが約十年間に全国の漁村や神社仏閣などで撮影した約四百枚を使用した。「千里眼」や「畏怖」など、ちょっと難しい「にゃん（難）言葉」を、夏目漱石や芥川龍之介らの近代文学作品から引用。三百六十六の単語と例文が、写真と一緒に紹介されている。

長野市出身の昆虫料理研究家、内山昭一さん（７０）＝東京都日野市在住＝の著書「楽しい昆虫料理」の新装版が今月、出版された。初版を発刊したのは２００８年。世界的な人口増加と食料不足の予測を背景に近年、新しいタンパク源として昆虫食が注目されており、再版を望む声にも応えて加筆・修正した。約８０のレシピを紹…

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「虫ずかん」小中校に寄付　磐田の匿名男性、著者北野さんが代行 磐田市大中瀬の市竜洋昆虫自然観察公園職員で、来園者から「こんちゅうクン」として親しまれる北野伸雄さん（３４）のファンを名乗る市内の男性がこのほど、匿名で北野さんの著書「いちばん虫ずかん」などを同市に寄付した。 本と和かるたを村松教育長に手渡した北野さん（右）＝磐田市役所 男性が寄付したのは同著書１０６冊と、北野さんらが制作した「こんちゅう和かるた」６４セット。同市によると、市内の小中学校３２校と市立図書館５カ所に配布するという。 男性は「子どもたちに昆虫に興味を持ってもらい、昆虫公園の利用にもつながれば」としている。男性の願いで、北野さんが２３日、市役所に村松啓至教育長を訪ね、本とかるたを手渡した。 北野さんは、独自の視点で昆虫の「１番」を紹介する本の内容に触れ、「寄贈は本当にありがたい。子どもたちには自分や友達の一番良いところ

磐田市竜洋昆虫自然観察公園のスタッフで「こんちゅうクン」の愛称で親しまれている北野伸雄さん（３４）が執筆した「こんちゅうクンのいちばん虫ずかん」が発行された。虫の世界の「ちょっと変わった一番」を独自の視点で選んだ百五種類を掲載した。　（宮沢輝明） 「いちばん紙とペンを用意したくなる虫」は、シロアリだと紹介した。シロアリは、仲間の出すフェロモンに沿って行列を作る習性がある。ボールペンのインクの成分がフェロモンに似ていることから、紙にボールペンで線を書くと、その線の上を歩くという。 「何も買わないのにコンビニに行っちゃう虫」には、ツヤアオカメムシを選んだ。光に集まる習性があるので、夜のコンビニに「行っちゃう」という。一番のイケメン（容姿が優れている）はハンミョウだとした。頭部は金属のように光沢のある緑色で、鋭く大きな牙のような大顎を持っていることから「美しさとかっこよさを兼ね備えている」と説明

磐田市竜洋昆虫自然観察公園の職員で、「こんちゅうクン」として知られる北野伸雄さん（34）の2冊目の本「いちばん虫ずかん」の販売が、「ムシの日」の6月4日、始まった。105種類の昆虫の「ナンバー1なところ」を紹介している。 「どんな虫にも1番はあるはず。身近な昆虫に興味を持ってもらい、自分自身の1番も見つけて欲しい」との思いから虫のナンバー1を集めた。大きさや重さなど一般的な切り口のものから、独自の視点でその昆虫の良い点に焦点を当てている。 例えば、「いちばん電車好きな子どもに好かれそうな虫」は、見た目が新幹線に似ているという理由で蚕の幼虫。「サッカーがうまそうな虫」はマダラカマドウマ。「ディエゴ・マラドーナと間違って言っちゃいそうだから」（北野さん） 同公園内の売店や全国の書店などで購入できる。四六判でオールカラーの176ページ。税込み1430円。（須田世紀） ","naka5":"<!-

小さな虫たちの生態を切り取った写真集「おいらは蟲（むし）」を、三重県伊賀市緑ケ丘西町の元中学校長、浅名正昌さん（87）が自費出版した。伊賀、名張両市内の小中学校に各市教委を通じて届けたほか、上野図書館（伊賀市）などにも寄贈。「それぞれの思いで見てもらえれば」と話す。 浅名さんは名張市立北中学校を1993年に退職。その後、趣味でカメラを始め、虫の目の輝きに魅せられてきた。これまでにも、伊賀地域に生息するトンボ88種を紹介した図鑑などを出版している。 今回の写真集は124ページのオールカラー。交尾するトゲアリ、花の中に頭を潜らせて蜜を吸うキタキチョウ、ハッチョウトンボを捕食するアオメアブ、ゴマダラカミキリの飛翔（ひしょう）――。懸命に生きる小さな虫たちをマクロレンズを使い、地元の県上野森林公園などで追いかけて撮影した。その作品約150点を掲載。写真説明には体長も添えた。 撮影を通じて浅名さんは

伊那市の市立伊那図書館で十八日、子どもたちが犬を相手に絵本の読み聞かせをするイベント「わん読（どく）」が開かれた。県動物愛護センター（小諸市）の協力で、県内の図書館では初めての試み。次回となる二月十五日は既に定員に達するほどの人気ぶりで、同館は動物との触れ合いを通して新たな図書館のかたちを示したいと、継続的な開催も検討している。 犬などの動物を相手に子どもたちが本の読み聞かせをする活動は「Ｒ．Ｅ．Ａ．Ｄプログラム」と呼ばれ、教育の一つとして欧米の図書館では盛んに催されている。日本では二〇一六年に三鷹市立図書館（東京都）で初めて行われた。 伊那図書館は昨年、創立二十五周年を記念したアンケートを実施。「動物と触れ合える図書館にしてほしい」という意見が多く寄せられ、犬への読み聞かせを通じて本に対する興味と読み聞かせの自信をつけてほしいと準備を進めてきた。 十八日は、事前に応募があった上伊那地域の

伊那市立伊那図書館は１８日、子どもが犬に本を読み聞かせる催し「わん読（どく）」を開いた。おとなしく寄り添う犬となら、相手の反応を気にせず落ち着いて読み聞かせに親しんでもらえる―と初めて企画。市内外の小学生１０人が参加し、犬に絵本を見せたり、一緒に寝そべったりして、思い思いに読み聞かせを楽しんだ。 同様の取り組みをしている県動物愛護センター「ハローアニマル」（小諸市）と、上伊那動物愛護会が、ゴールデンレトリバーやシェットランドシープドッグなど計５匹を連れてきた。子どもたちは犬と触れ合ってから持参した絵本を読み始めた。犬は絵本を興味深そうに眺めたり、傍らに寝そべったり。読んでいる途中で鼻先を顔に近づけられて笑いだす子どももいた。 上伊那郡南箕輪村南部小２年の唐沢優月（ゆづき）さん（７）は「体が大きくて初めはちょっと怖かったけれど、静かに聞いてくれた」とうれしそう。弟や妹に読み聞かせをしている駒