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森見登美彦氏の描く京都は、なぜかくも懐かしいのか。いや、自分よりはるかに若い作家の現代小説をつか... 森見登美彦氏の描く京都は、なぜかくも懐かしいのか。いや、自分よりはるかに若い作家の現代小説をつかまえて“懐かしい”と書くのも妙な話ではある。なにせ筆者が京都市左京区北白川に下宿したのは一九七九年春からの四年間だから、『太陽の塔』や『四畳半神話大系』の京都からはざっと二十年も遡る。なのに森見氏の小説を読んでいると、オレの京都がそのまま書かれているという錯覚に陥り、学生時代の細部が脳裡にまざまざと甦る。ときたま、当時存在しなかった建物(北白川別当のコンビニとか)に出くわすと、そこで初めて、「ああそうか、これは今の京都の話やったな」と我に返ったりするわけである。 これは筆者に限った話ではなく、九〇年代前半に京都の短大に通った本上まなみ氏も新潮文庫版『太陽の塔』の解説で懐かしさを吐露しているし、森見氏よりさらに年少の現役京大生に話を聞いても、「あれはボクの生活そのまんまですよ!」と思いの丈を熱く
2011/02/14 リンク