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「相場は知識の宝庫だ」と言っていつもわたしを怒鳴る上司がいた。市場の効率性を信じるか否かにかかわ... 「相場は知識の宝庫だ」と言っていつもわたしを怒鳴る上司がいた。市場の効率性を信じるか否かにかかわらず、以前は、債券や為替、商品の相場が経済成長やインフレ、金融政策の先行きを何かしら伝えようとしていると確信できたものだ。相場に耳を澄ませて、それを言葉に直せばよかった。 今や状況が変わった。量的緩和策と景気刺激策、ゼロ金利政策が相まって、市場はゆがみ、原形をとどめないほどに変わってしまった。 端的に言えば10年物米国債の利回りとドル、ユーロの適正水準や、銅か金を買うべきなのか売るべきなのか、などについて合理的な議論がほとんど不可能になっているのだ。最近、政府が熱心に介入を図った結果、以下のような市場の狂いが生じた。 (1)束縛からの解放、現実からの遊離 10年物米国債の利回りは約3.5%と、5年間の平均4.14%と、20年間の平均5.57%を大きく下回っている。しかし現在の利回り水準は、信用収
2009/11/16 リンク