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一冊の古書を取り寄せた。その本は筆者の両親が生まれるはるか前、西暦で言えば戦前の1933年に発刊され... 一冊の古書を取り寄せた。その本は筆者の両親が生まれるはるか前、西暦で言えば戦前の1933年に発刊された本だ。黄ばんでいて、色あせている。だが、ページをめくるたびに当時の様子がありありと伝わってくる。これだから古書は面白い。 数多くの銀行建築を手掛けた西村好時氏が執筆した『銀行建築』。第一銀行(現在のみずほ銀行)の本店や支店の写真、平面図が掲載されており、当時の時代背景を読み解ける一冊だ。ぱらぱらと写真のページをめくるだけでも、当時から銀行がどういう位置づけだったかが見て取れる。ギリシア建築を取り入れた荘厳なたたずまいから、金融機関の事業が今も昔も、国の根幹を支える位置づけだったことが分かる。 そして、面白いのは西村氏が自序で記している建築家としての苦悩だ。 「本書を編纂するに当たってたまたま大きな障害が起こってきたので出版までに比較的長い時間を要してしまったのは遺憾である。それはちょうど時
2017/09/27 リンク