風景画 | 西洋美術館

風景画 | 西洋美術館

ルネサンス期の西洋では、神を中心とした価値観から人間中心のそれへと価値の転換が起き、人々が自らの...概要を表示 ルネサンス期の西洋では、神を中心とした価値観から人間中心のそれへと価値の転換が起き、人々が自らの住む現実世界の森羅万象に積極的な関心を抱くようになります。その結果絵画史においては、それまでは神聖な物語の場面の背景や小道具に過ぎなかった風景や静物それ自体が、芸術制作の主目的として取り上げられるようになり、17世紀初頭、風景画や静物画といった独立したジャンルとして成立します。 風景画は、ネーデルラント――現在のオランダとベルギー――とイタリアを二つの中心として発展しました。ネーデルラントでは、豊かなディテールを積み重ねて身近な自然を写実的に表現する手法が発展し、当時の庶民の生活の光景とともに積極的に造形化されるようになります。特に、プロテスタントとなりスペインから独立した北部ネーデルラント、つまりオランダでは、中産市民階級が宗教画の代わりに自宅に飾る絵画として風景画を求めました。そこで画家たち