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『グーテンベルクからグーグルへ』訳者による特別寄稿 明星 聖子(埼玉大学教養学部准教授) これは悲し... 『グーテンベルクからグーグルへ』訳者による特別寄稿 明星 聖子(埼玉大学教養学部准教授) これは悲しい予言の書です。これからの文学研究は、デジタルの「本」に基づかざるをえない。著者シリングスバーグは明らかにそう語っています。 いや、そんなことはありえない。仮想空間に浮かぶ幻影を相手にして、研究などできるはずがない。大半の方は、おそらくとっさにそう反論したくなることでしょう。 でも、本当にそう言い切れるのでしょうか。例えば、目の前のディスプレイに、ある作家の小説の草稿画像が表示されているとします。同時に、机の上には、活字の本になったその小説の一頁が開かれている。では、研究者が研究のために活用するのは、いったいどちらでしょう。 「オリジナルにあたれ」という言葉を、研究の場でよく耳にします。しかし、このオリジナルとは何でしょうか。例えば、いまの場合、よりオリジナルに近いのはどちらでしょう。編集者
2011/03/25 リンク