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朝の通勤途中で、たまに会うおばあさんがいる。 おばあさんと言っても、頭の中に描くイメージは人それぞ... 朝の通勤途中で、たまに会うおばあさんがいる。 おばあさんと言っても、頭の中に描くイメージは人それぞれだろう。 わたしなら八千草薫さんが浮かんでくるが、人によっては野際陽子さんかもしれないし、樹木希林さんかもしれない。 わたしが会うこのおばあさんは、泉ピン子の特盛みてえな顔をしている。泉ピンピンピン子だ。君のピンピンピン子から僕は君を探し始めるわけないじゃないか。えなり君ならきっとそう言う。 お互いに赤の他人だから、会話を交わすどころか会釈すらしたことがない。 そのおばあさんがゴミを出すために外に出てくる。 そのタイミングでわたしがたまに通りかかる。 会うといってもその程度だ。出来事と呼ぶにはあまりに些細な日常のひとコマに過ぎない。 そんな日常の均衡が崩されたのは、3ヶ月ほど前のことだ。 それはおばあさんの一言から始まった。 「今日は雨、降りますか?」 最初は何を言っているのか聞き取れなかっ
2019/10/17 リンク