公衆電話 | sudigital afterimage

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ピンクの公衆電話。若い人は公衆電話の使い方がわからないと聞く。生まれた時から電話は携帯できるもの...概要を表示 ピンクの公衆電話。若い人は公衆電話の使い方がわからないと聞く。生まれた時から電話は携帯できるもの。それは便利かもしれなけれど、少しつまらない気もする。いつでもどこにいても誰かと繋がれるということは、結局誰とも繋がれないことを意味していているような気もするから。 上京した時、私は16歳だった。自分がやりたいことのために親元を離れたのだし、毎日が希望に満ち溢れていたとしても、やはり故郷が恋しかった。10円玉では会話を交わすところまで行かないその距離。100円玉でもいくらも話せなかった。離れた故郷がコインが落ちた音と同時になるブーッという太く短い音によってより遠く感じられた。私の気持ちなんて全く無視したように冷酷に鳴るその音に、いつも最後の一言を慌てて言わされた。昭和の地方出身者や遠距離恋愛経験者は皆あの切ない時間を経験しているのではないかと思う。 あの頃切なかったその時間も今となってはいい思い