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今は昔、常陸国*1に大洗磯前宮と云ふ社あり。村人、社頭に市を成し、よろずの海のものを商ふ。懇ろに神... 今は昔、常陸国*1に大洗磯前宮と云ふ社あり。村人、社頭に市を成し、よろずの海のものを商ふ。懇ろに神に仕え朝夕社に詣でける。 或時、尋常の風体に非ざる者等、数多具して来たり。街区に満ち、辻辻、郷舎を指して相哄笑す。霊地に非ざる処を頻に拝み騒ぐ故、村人怪しみて之に問はば、「がるぱん善きぞ」とのみ答ふ。又社に参りては傍に木版を頻りに打ち付け、五色の彩にて異境の兵具を備えし端正美麗の女衆を描けり。 常人とは異なる様なれども、海の産物を供すれば巨多の銭貨にて報いる故、村人之をがるぱんさんと号し、来る毎に饗応す。 其後、村人、国厨*2へと魚酒を貢ずることあり。然るに国司「当郡*3の贄既に到れり、重ねて持ち来るに及ばず」と云ひてえ取らじ。村人奇しく思ひて、府蔵の内を伺えば、果たして贄の魚は嘗てがるぱんさんに捧げしものにやあらん。 旧紀に曰く磯前宮は田邑帝*4の御代に少彦名神の本地仏、薬師大菩薩*5が顕現
2016/01/15 リンク