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はじめに トランプ政権が登場して早3年目に入り、既に次期大統領選に向けた動きが始まっているが、この... はじめに トランプ政権が登場して早3年目に入り、既に次期大統領選に向けた動きが始まっているが、この間の同政権についての見方や評価はいまだに揺れる部分が多い。しかし米国の保守思想史を振り返りながら分析すると、トランプ政権登場の時代的意味がはっきり見えてくる。そこで本稿では、米国保守思想史をたどりながら、現在の米国が直面するさまざまな政治現象の根底に流れる大きな思想潮流を描き出してみたい。 そもそも「保守」とは何かということについて言えば、人によってそのイメージや意味が違ってくる。注意すべきことは、ナショナリズムと保守主義は全く異なるものであるのに混同されがちだという点だ。また、ポピュリズムと保守主義は違うにもかかわらず、米国ではポピュリズムと保守思想の親和性が見られる背景についても述べてみたい。 1.現在は戦後アメリカ思想史の大転換期 戦後米国思想史を振り返ってみると、保守であれリベラルであ