注目コメント算出アルゴリズムの一部にLINEヤフー株式会社の「建設的コメント順位付けモデルAPI」を使用しています
足音がする。息遣いがする。むしいむしししし。すぅはすうぅはあ。ときに嬉しそうに、ときに悲しげに空... 足音がする。息遣いがする。むしいむしししし。すぅはすうぅはあ。ときに嬉しそうに、ときに悲しげに空気を響かせる。床、柱、梁、階段、洗面所、便所、風呂、物置、ガレージそして庭。生きている。古い家のいたるところにはかつて住んでいた人の足音や息遣いは生きている。幽霊とかオカルト的なものではなくそこで暮らした人が生きた証拠をキズや傷みとして残している。天国やあの世とかそういう場所じゃなくて、そのキズや傷みのなかにかつて暮らした故人はいるのだと思う。ときどき亡くなったオヤジが僕と弟の身長を測ってくれた柱のキズをみると、寂しさに包まれてしまうときもある。お盆というやつはそうした家のキズや傷みをレコード盤の溝に見立て針を落とし故人の想い出を生きている人それぞれのスピーカーで再生するようなものじゃないだろうか。 僕の住んでいる街では迎え火と、ナスと胡瓜とマッチで拵えた精霊馬で先祖の霊を迎えるのがお盆の慣習に
2008/08/16 リンク