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上掲『論座』110-111頁。トッシキ発言: [01] 明治以来の日本の学問は海外の権威と実学性、つまり「役... 上掲『論座』110-111頁。トッシキ発言: [01] 明治以来の日本の学問は海外の権威と実学性、つまり「役立つ真理」であることをよりどころにしてきました。ところが最近は、海外にも権威らしい権威がいない。他方で、法律や経済、政治ではアカデミズムよりも現場に近い専門職集団(法曹界や官庁、政党の政策スタッフなど)ができてきた。その結果、アカデミックな社会科学は、権威も持ちにくいし、実学とも言いづらくなっている。それに対して、社会学はもともと社会全体がフィールドなので、特定の制度との密接な関係を持てなかった。さらに、自分自身も社会という対象の中にあるため、対象の外には原理的に立てない。社会学にはずっと、そういう「あやしさ」がつきまとってきました。 [02] つまり、今のアカデミックな社会科学全体が置かれている立場に、社会学は誕生以来、立たされてきた。進化論的に言えば「前適応」していた。全体に広が