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人を見る目がないことに掛けては私は絶大な自信があります。 亡夫と結婚したとき、彼はわたしの二歳上だ... 人を見る目がないことに掛けては私は絶大な自信があります。 亡夫と結婚したとき、彼はわたしの二歳上だったのですが、わたしたちはひとつの約束をしました。彼がわたしを看取ってくれるという約束でした。わたしたちのあいだで単に「お約束」といったら、それはこの約束のことでした。そうして私は彼がこのお約束を守ってくれることには安心しきっていたのでした。彼がひとりで逝ってしまう、その朝まで。 9月の、あれは中頃だったろうか、もう9・11のテロ事件は起こったあとでした。午前3時ごろだったか、居間をのぞくと、普段は夜の早い彼が晩酌をしていました。「お約束、破ってもいい?」と唐突に彼がいう前に、どんな話をしていたのか、どんな状況だったのか、それは忘れました。ただ、その言葉はいまでも耳に残っています。そのとき庭でしきりに鳴いていたコオロギの声や、妙に明るい蛍光灯の色や、そのほか一切のこまごまとしたことといっしょに