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立春まえのある寒い夜のことです。 街角のコンビニ駐車場で、ひとりのバイトが恵方巻を売っていました。... 立春まえのある寒い夜のことです。 街角のコンビニ駐車場で、ひとりのバイトが恵方巻を売っていました。 「恵方巻、恵方巻はいかがですか?」 バイトは家路に急ぐ人々に一生懸命に声をかけました。 人々はまるでバイトの姿が見えないかのように足早に店内に入り、黙って出ていきます。 「恵方巻です!今年の吉方位は…」 「どいてください」 一人の客がチラシを差し出したバイトの手をはらいのけました。 バイトはよろけて、手をついた拍子に恵方巻の山を崩してしまいました。 バイトはハッとして思わず店内に目をやりました。 店長は暖かいカウンターの中でレジを見つめています。 「よかった…」 バイトはかじかむ手に息を吹きかけて温めながら恵方巻の山を積みなおしました。 昨晩から節分の飾りつけや特売スペースの設置で忙しく、今日は食事もしていません。 「このままではお腹が空いて倒れてしまうよ」 バイトは一人きりで手提げ金庫の番
2017/02/28 リンク