注目コメント算出アルゴリズムの一部にLINEヤフー株式会社の「建設的コメント順位付けモデルAPI」を使用しています
父方の叔母が消えた。 蒸発したのではない。 叔母は結婚せずに一人で暮らしていた。 仕事は大手医薬品メ... 父方の叔母が消えた。 蒸発したのではない。 叔母は結婚せずに一人で暮らしていた。 仕事は大手医薬品メーカーの事務職を続けており、 60歳の定年後は再就職をすることもなく趣味の手芸を楽しんでいた。 ここ2年ほどは音沙汰もなかったが、まだ60代と若いので特に気にかけなかった。 夏の終わり頃、叔母のアパートの大家から電話があった。 家賃滞納が続いているので部屋をあけるということだった。 最悪の事態に備えて父とわたしが立ち会った。 あけると生活感はあるもののもぬけのからだった。 リビングにも風呂場にも叔母はいなかった。 どこにいったのかと思い、寝室をあけると異臭がしており、 布団に人型の跡がついていた。 「ああ」大家は呻いた。 「これ死んでんな」大家は続けた。 わたしが死体がないと言うと 「人間は最後は液体になるんさ」と大家が言った。 よくわからなかったが、人体の60%は水でできているということを
2015/09/14 リンク