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著者の芥川賞受賞作「飼育」という短編は、 後の大江の展開を凝縮したような傑作である。 まず、あらす... 著者の芥川賞受賞作「飼育」という短編は、 後の大江の展開を凝縮したような傑作である。 まず、あらすじから見ていこう。 ■ 戦時下、「僕」の村に「敵」の飛行機が墜落した。 村人は一人の黒人兵を捕らえ、地下倉に幽閉する。 「僕」たち村の子どもはその「獲物」に好奇心をもち、 観察に熱中する。 やがて子どもらは黒人兵と親しくなり、 「殆ど《人間的》なきずなで結びついた」。 そして、地下倉から外へ連れ出し、 いっしょに村のなかを出歩くようになる。 大人たちもそれを容認した。 しかし、破局は唐突に訪れた。 黒人兵を県に引き渡すこととなり、 町まで連れて行かなければならなくなったのだ。 すると、危機を感じ取った黒人兵は 「僕」を人質にして地下倉に立てこもった。 一転して黒人兵は「敵」へと変身したのだ。 救出にやってきた「僕」の父親が 鉈を黒人兵に打ち下ろした。 その結果、黒人兵は死に、 「僕」は指を失っ
2013/09/12 リンク