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西洋の美術と言えば、端正な古代ギリシア・ローマ、天を衝く中世のゴシック、遠近法と解剖学的な人体表... 西洋の美術と言えば、端正な古代ギリシア・ローマ、天を衝く中世のゴシック、遠近法と解剖学的な人体表現によるルネサンスがスタンダードであろう。しかし、著者は11~12世紀のロマネスクこそが、知識より感情を、写実よりかたちの自由を優先する美術革命だったと主張する。本書は豊富な図版をもとにモダンアートにも通じるロマネスクの面白さを縦横に語る意欲作である。 従来は、「ゴシック至上主義者」エミール・マールに代表されるキリスト教図像学者が、「稚拙」なロマネスク美術を発想源とされるテクストとの関連で読み解いてきた。これに対して著者は、「書物よりも大理石を読み解こう」と考え、「反図像学的試み」を主張するマイケル・カミールに親近感を抱く。そして、ヨーロッパの古寺巡礼を始めたのだ。読みながら、ヴェズレ―やオータンなどのロマネスクの聖堂を訪ねた時の感動を思い出した。 ところで、ロマネスクという言葉は、19世紀にイ
2015/10/15 リンク