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「あの時代」は廣津和郎の短編で、昭和の初めに彼の友人である宇野浩二と芥川龍之介が、奇しくも同時期... 「あの時代」は廣津和郎の短編で、昭和の初めに彼の友人である宇野浩二と芥川龍之介が、奇しくも同時期に病んでいた様子を活写した秀作である。それは決して意地の悪いものではなく、温かい友情と思いやりが、知的で冷静な文章で綴られている。 廣津和郎の本も新刊書店ではなかなか手に入らないと思うので、読みたい方は図書館か古書店で探してみるとよい。 簡単に作者の紹介をしよう。 廣津和郎は明治の流行作家廣津柳浪の次男で、七歳で実母を失い十一歳で義母を迎えている。十四歳くらいから匿名で雑誌に文章を投稿し、時々は賞金を貰っていたので、文學に対する志向はあったようだ。 家の貧乏については余り頓着せず、どんな時も「お父様」を信頼し義母を支えた孝行息子であった。 ただ少年時代から常に不眠に悩まされるなど、少々神経過敏で顔色が青く弱々しく見えたそうだ。
2014/10/29 リンク