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物語の冒頭、公園でスケッチをする少女は、この世界は(コミュニケーションの)輪の内側に属する者と外... 物語の冒頭、公園でスケッチをする少女は、この世界は(コミュニケーションの)輪の内側に属する者と外側に属する者に分けられると説明する。そして少女自身は、その外側にしか存在しえない者であるとつけくわえられる。彼女にとって、他者との関係性はあたかも、けわしく乗り越えがたい壁のように屹立しているのだ。たくさんの子どもたちがめまぐるしく走りまわる、動きの多い公園のシーンのなかで、ひとり孤独を抱えた少女は、みずからが外側の存在でしかあり得ないことの重圧に耐えかねて、ぜんそくの症状を悪化させてしまう*1。こうしたストーリーの起点を持つ『思い出のマーニー』で、主人公の少女、杏奈は、物語を通してつねに外部(外側)を求めて移動しつづけ、さらなる外部へと向かって逃走を繰りひろげることとなる。 少女はつねに、内側から外側への移動を試みるだろう。空気の汚れた都会から、自然の多い療養地へ。しばらく居候する親戚の家から
2015/03/02 リンク