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いまから15年前、「笑っていいとも!」に、小説家としてデビューしたばかりだった、演出家の久世光彦が... いまから15年前、「笑っていいとも!」に、小説家としてデビューしたばかりだった、演出家の久世光彦がゲスト出演したときのこと。 「直木賞、残念でしたね」という司会のタモリに対して、久世が「でも、山本周五郎賞はいただきましたから」といっていたのが妙に記憶に残っている。少なくとも当時高校生だった僕には、その態度を見て、直木賞落選をとくに悔やんでいるふうには思われなかった。 だが本書によれば、実のところ久世は複雑な心境を抱いていたようなのだ。このとき直木賞の候補にあがったのは、江戸川乱歩を主人公にした長編『一九三四年冬──乱歩』という、久世にとって初めての小説だった。同作が山本周五郎賞を受賞したのは直木賞候補にあがる前月(1994年6月)のことである。 久世は直木賞について、落選直後、朝日新聞に連載していたエッセイの最終回で次のように書いている。 〈自分が出会うなんて予想もしていなかったものは、や
2012/01/19 リンク