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猫の散歩道 [著]保坂和志[評者]横尾忠則(美術家)[掲載]2011年4月17日著者:保坂 和志 出版社:中央... 猫の散歩道 [著]保坂和志[評者]横尾忠則(美術家)[掲載]2011年4月17日著者:保坂 和志 出版社:中央公論新社 価格:¥ 1,470 ■風景が与える答え、小説の秘密 猫に対する著者の感情移入と一体化は感動的でさえある。自分の家の猫でもない野良の親子の不透明な生活に一喜一憂する保坂さん。道で目と目が合っただけの子猫の一夜の運命を案じ、帰宅しても心ここにあらず。雷鳴にもしやと思い表に飛び出す。深夜になれば新たな心配が発生、子猫を尋ねてどこへやら。内田百けんさんも顔負けの執心。 猫を愛(め)でる感性はそのまま彼の自然観に直結し、「人は風景から答えを与えられる」という。僕の十代の日々は肉体が自然の一部になるまで川や野山を駆け巡った。そこにあるのは風景だった。 昔読んだシュタイナーの書――。真冬の荒涼たる湖水を前に2人の女。1人は身を縮め極寒に戦(おのの)き、もう1人は眼前の壮麗な風景に恍
2011/04/24 リンク