ペット保険最大手のアニコム損害保険は2024年4月、大手ペットショップ、ワンラブとの代理店契約を解除したと発表した。ワンラブ社のフランチャイズ加盟店の従業員らが動物愛護管理法違反で逮捕されたとの報道を受け、監査を申し入れたが、協力を拒まれたのが理由だ。ワンラブ社のようなペットショップは、ペット保険の有力な売り手である保険代理店の顔も持つ。今、そのペットショップで保険の収支をゆがめかねない問題が

（10時35分、プライム、コード3994）家計簿アプリなどを手掛けるマネフォが急落している。制限値幅の下限（ストップ安水準）である前日比700円（14.78%）安の4036円まで下落し、同水準で売り気配となっている。14日、2025年11月期の連結営業損益が23億〜47億円の赤字（前期は47億円の赤字）になりそうだと発表した。市場予想の平均であるQUICKコンセンサスは13億円の黒字（6社、24

「深海魚」。中学受験で難関私立中高一貫校に合格したものの、中学入学後に成績が低迷し、学年最下層に沈んでしまう子どもたちを指す言葉だ。小学校時代にトップ層であったというプライドが、成績低迷という現実とぶつかり、親子の心には深い影を落とす。しかし、子ども自身は必ずしも危機感を抱いているわけではない。波風の立たない深海に安住し、浮上する意欲を失っていることも多い。親が焦るほどに、子どもとの間に心情の

中古マンション市場で完成後間もない「超築浅」物件の売り出しが増えている。東京・大阪で築1年以内に売りに出された物件は10年前の3倍を超える。投資家が転売益を見込んで短期で売買している。新築物件の供給減少により需要も高く、中古マンション価格上昇の一因となっている。実際に住みたい人が買えるように転売目的の購入を制限する不動産会社も出てきた。不動産情報サイト「マンションレビュー」を運営するワンノブア

日経平均株価が再び4万円を挟む展開に回復するなか、商社株がさえない。商品市況の悪化などで業績モメンタム（勢い）の低下が鮮明で、米著名投資家のウォーレン・バフェット氏がもたらした株高の流れが息切れしている。「万年割安」に放置された過去もあり、市場では変革に向けた積極投資を求める声が強まっている。8日の東京株式市場で日経平均株価は反落し、前日比102円（0.3%）安の3万9981円で終えた。業種別

セブン―イレブン・ジャパンはファストフードを前面に出した新型店を展開する。面積は既存店そのままでレジ横のカウンターを4割ほど延ばす。揚げたカレーパンなど人気の品を置くほか「スムージー」といった飲料の専用機器も設ける。親会社のセブン&アイ・ホールディングス（HD）は買収提案を受けている。食分野拡充で企業価値向上を急ぐ。新型店はカウンターを従来より2メートル以上延ばす。改装した「セブンイレ

5年に1度の年金制度改革が動き出す。柱は短時間労働者の厚生年金への加入拡大だ。社会保険料の発生で働き控えが生じる「年収の壁」が一変し、週20時間以上の労働で厚生年金に入る形となる。通常国会での法改正を目指す。老齢年金は一階部分の基礎年金と、会社員などが収入に応じて上積みする2階部分の厚生年金の2つ。長寿化の中、基礎年金だけでは老後資金が不足しかねない。厚生年金の受給者を増やす「適用拡大」が法改

「場当たり的な株主還元など表面的な施策のみの開示は改善されるべきだ」。英投資ファンドのアセット・バリュー・インベスターズ（AVI）の坂井一成・日本調査責任者はこう話し、2024年11月の東京証券取引所による「悪例集」の公表に共感した。東証は上場企業の経営方針や施策で「投資家の目線とギャップのある事例」を公表した。23年にPBR（株価純資産倍率）1倍割れ是正の要請をした後、海外の中長期投資家など

「今年は米国、生成AI（人工知能）と買うべきものが明確でイージーな相場だった」。2024年をこう振り返るのは個人投資家のカイザーさん（仮名、31）だ。23年末に金融資産の3割ほどを米エヌビディア株に投じた。今年7月には購入時の2倍超の株価で売り抜けた。保有資産は全体で昨年末から4割増えた。日経平均株価や米S&P500種株価指数が史上最高値を更新するなど株高に沸いた今年の相場は、幅広い投

2024年の日本株は約35年ぶりに最高値を更新した。8月には日経平均株価が急落する波乱もあったが、通せば2割高で長期投資が報われた1年となった。日本株の変化を象徴するのは、相場全体が上値を重くした年後半も右肩上がりを保った銘柄群だ。「尻上がり」銘柄の輝きは25年相場に期待をつなぐ。産業用セラミックスのMARUWAがじわり買われ続けている。株価は23年に88%高、24年も27日時点で64%上げて

十分な資産があるのに賃貸住宅を契約できない――。家探しに苦労する単身の高齢者が増えている。もしものときに頼れる人がいない点を敬遠する大家が多いためだ。「持ち家を手放して気ままに」「熟年離婚で再出発」という節目で直面する住まい確保の壁。人生設計の自由度を保つための解はあるのか。現場を追った。「紹介できるお部屋はありません」。東京都港区の男性（88）は不動産業者の言葉に驚かなくなっていた。今夏から

2024年の日本株市場では海外投資家が2年ぶりに「売り手」に回りそうだ。現物株と株価指数先物の売買を累計すると直近までに5兆円超の売り越しになっている。最高値を更新し続ける米国株に比べ、日本株は相場変動率が高く、持続的な株高シナリオを描きにくい。石破茂政権への期待も高まっていない。企業の自社株買い頼みの構図が上値の重さにつながっている。「面談アポの入り方が悪く、日本への関心は総じて低下していた

デジタル証券として所有権を小分けにした不動産に個人マネーが流入している。私設取引システム（PTS）を運営する大阪デジタルエクスチェンジ（ODX）にこうしたデジタル証券が国内で初めて上場してから25日で1年が経過した。全6銘柄合計の時価総額はこの1年で3倍弱に増えた。株式や不動産投資信託（REIT）と似た売買方法の手軽さから個人投資家の人気を集めつつある。デジタル証券とは、ブロックチェーン（分散

日本国内にある空き家をデータベース化し、全国の地方自治体の空き家問題の相談に乗る。空き家を紹介するユーチューブチャンネルも運営し、再生回数が120万回を超えた動画もある。各地に眠る「負動産」を掘り起こし、国内外につなぐ。11月に大阪府岬町に「岬町アキカツカウンター」を開設し、連携協定を結ぶ自治体は14になった。空き家を買いたい人と売りたい人のマッチング、相続など中立的な立場で相談に乗る。「空

「1円スマホ」と呼ばれるスマートフォンの過度な値引き規制開始から27日で1年を迎える。スマホの割引販売の手法が複雑になり、割安な端末を求める消費者は中国メーカーと中古品に向かう。26日には1円スマホの規制強化に向けた新たなガイドラインが始まり、国内のスマホ市場の勢力図が変わる可能性がある。「ほかのメーカーより安いので選んだ」。会社員の宮田章太郎さん（24）は中国スマホ大手の小米（シャオミ）の端

不動産投資信託（REIT）相場が下げ止まらない。東証REIT指数は19日まで4日続落し、新型コロナウイルス禍の2020年5月以来の安値をつけた。国内REITを組み入れた投資信託が減配を決めたことが尾を引き、個人マネーの流出が続いている。「下がるから売る、売るから下がる」の悪循環に陥り、相場反転のきっかけをつかめずにいる。19日のREIT指数は0.4%下げた。日銀は追加利上げの見送りを決めたが相

2024年は株主構成の変化が進んだ。日本の上場企業の株式の売り出し総額は約2.4兆円と2年連続で2兆円を超えた。ガバナンスや資本効率の面で問題をはらむ持ち合い株など政策保有株式の縮減が加速したのが背景だ。東証の上場維持基準である流通株式比率を高めたいとの企業の意向も大株主の売り出しを後押しした。株式の売り出しは既に発行された株式を決まった条件で50人以上の投資家に売却する手続き。売却の株数や価

不動産経済研究所（東京・新宿）は24日、2025年の首都圏の新築マンション供給戸数が前年比13%増の2万6000戸程度になるとの予測を発表した。4年ぶりの供給増だが、需給逼迫が解消される見込みは小さい。都心で「億ション」が常態化するなか、土地を所有しない代わりに相場より割安に買える「定期借地権付き物件」が増えている。25年は戸数の多い大型マンションが販売されるなどの要因で供給数が増える。もっと

日本経済新聞が実施した2024年の「企業が選んだ弁護士ランキング」で、税務分野は平川雄士弁護士が首位となった。同分野の前回調査（2021年）に続いて2度目の首位となる。大型の税務訴訟などを多く手掛け、最高裁での勝訴確定にも導いている。最近手掛けた案件の内容や、注目する税ルールの動きなどについて聞いた。へがわ・ゆうし　1997年東京大法卒。99年弁護士登録、長島・大野法律事務所（現在の長島・大野・常松法律事務所）入所。2004年、ハーバード大ロースクール修了。05年米NY州弁護士登録。22年から東京大法科大学院客員教授。税務訴訟など租税法務を主に手掛ける。

福利厚生代行サービスを手掛けるリログループの業績が好調だ。人手不足を背景に会員企業数が増え、2025年3月期の連結営業利益は過去最高を更新する見通し。自己資本利益率（ROE）は5割を超えるにもかかわらず、株価は上場来高値の約6割の水準にとどまる。逆転の鍵を握るのは、持ち分法適用会社の株式売却で得た332億円の使い道だ。同社の福利厚生代行サービス「福利厚生倶楽部」では、企業が会費を負担することで