駆け抜けたい伝説の途中

毎週水曜18時より放送中

イナギャラ神ゲー① 究極進化

 最近寒すぎてキーボードもロクに叩けない始末です。コタツに入ってしまうと一生出れなくなります。すっかり寒くなってきましたね。

 

 当ブログではイナズマイレブンのゲームについてはイナストのことしか取り扱っていなかったので、イナズマイレブン信者度をアピる為にもイナギャラについて思うことも書いていこうと思います。ちょうどイナズマイレブンの新作への期待も高まっていますし、これまでのシリーズ作品の良かったことや、新作へ望むことについて自分の中で整理をしておくのも大切かと思いました。

 全てを一記事にまとめていたら長くなってしまうので、何記事かに分けたいと思います。今回はイナギャラの必殺技の究極進化というシステムの感想(考察)です。僕がこのゲームで最も好きなシステムでした。

 

 

 

「全スロット上書き可」という仕様の功罪

 イナズマイレブンシリーズはGOからキャラクターの必殺技が全スロット上書き可能となりました。これによってより自由度の高い技構成のキャラを作ることが可能になりましたが、新たな問題も浮上してしまいました。

 

 例えば、GO1。GO1ではアトランティスウォールという必殺技の秘伝書がショップで安価で購入できます。このアトランティスウォールという必殺技は、山属性どころか全ブロック技の中で最高の威力を誇るシュートブロック技でした。消費TP50のシュートブロック技はこの必殺技のみです。GO1は属性一致補正が非常に低いのもあり、どのキャラでも気兼ねなく使用することができます。

 一応GO1のコマンドバトルは「お互いに繰り出した必殺技同士の属性を使ってジャンケンをし合っていく」というシステムなので、アトランティスウォールは風属性のドリブル技に弱いという弱点はありました。しかし風属性のドリブル技で最も威力が高いのは消費TP36のホワイトブレードで、おまけにファウル率も高いのでリスクリターンが見合っていません。間違いなく全属性中で最もドリブル技が弱い属性は風属性でした。

 したがって「お手軽に入手できる」「威力が最強」「対策もされにくい」という三拍子が揃ったブロック技でしたので、対戦ではほとんどのキャラのブロック技はアトランティスウォール一択となりました。FWもMFもDFもアトランティスウォールを習得させておくのがド安定となったので、対戦ではどのキャラも同じ必殺技を繰り出す光景が増えてしまいますから、キャラクターの個性が失われてしまうという問題がありました。

 

▲山属性最強のシュートブロック技、消費TP50のアトランティスウォール。なお各属性の最強のシュートブロック技は、風属性が消費TP40のエアーバレット、林属性が消費TP40のディープミストとハンターズネット、火属性に至ってはシュートブロック技が存在しないという有様でした。

 

 

 このGO1のアトランティスウォールという必殺技は全てのキャラが似たような技構成になってしまうという問題が最も顕著に現れた例であり、他の必殺技やGO2においても同じ問題はありました。

 例えばGO1とGO2で剣城が最初から覚えている、デスソードという必殺技があります。序盤は低燃費でGKを突破できる必殺技としてそこそこ使えますが、中盤以降になるとやはり火力不足となってしまい、より威力の高いデスドロップやファイアトルネードDDに出番を奪われてしまいます。クリア後となると消さずに残しておく理由もあまりないでしょう。剣城を代表する必殺技の一つであるデスソードも、強いチーム作りを目指すのならば上書きするのが普通となってしまいました。

 

五ノ神

▲GO2の僕のオレブンで守護神を担っていたキャラです。GOからは技が全スロット上書き可能になったことによって、このようにキャッチ技を一個足りとも覚えないキャラを、強引にGKに仕立て上げるという遊びもできるようになりました。

しかし、同時に必殺技を全て上書きしてしまったことで五ノ神くんの面影はなくなってしまいました。更に言えばこの技構成はどんなキャラでもできてしまうので、個性と呼べるものはもはやありませんでした。

 

 この個性がなくなってしまう問題は自分が感じていたものでしかないので、人によって考え方が違うと思います。

 例として挙げた剣城のデスソードは、いわばドラクエのメラと一緒です。メラは序盤から覚える呪文でありメイン火力として重宝しますが、終盤ではメラミやメラゾーマに取って代わられてお役ごめんとなります。威力の低い必殺技は序盤でしっかり役目を果たしてくれるので、二束の草鞋を履かせたいというのは高望みしすぎだという考え方もあると思います。

 

 しかし自分としてはドラクエの呪文とイナズマイレブンの必殺技では、作品において占めるウエイトが違うと考えています。イナズマイレブンの必殺技は、イナズマイレブンの醍醐味です。最初は馬鹿馬鹿しいと思いながらも次第に引き込まれていくような、作品の華です。

 その必殺技は紛れもなくキャラの個性でもありますから、キャラを強く育てる為にはその個性を消すのが当たり前という環境になってしまったのは少し残念でした。

 

 

 

究極進化!

 そこでイナギャラから登場したのが、必殺技の究極進化というシステムでした。

 

究極進化

▲どんな必殺技も究極進化によって最強の必殺技に!

 

 究極進化の書というアイテムを使用すれば、どんな必殺技も最強の必殺技へと変貌します。天馬が序盤から使える消費TP30のマッハウィンドも、ラスボスが使ってくる消費TP85のスターゲイザーも、このアイテムを使って究極進化をすれば消費TP99の威力300シビレ10技という全く同じ性能の必殺技になるということです。

 厳密には必殺技毎に「パワー型」「シビレ型」「チェイン型」などとタイプが分けられているので、全ての必殺技が全く同じ性能になるということではありません。例えばエターナルブリザードは究極進化をすれば威力320のシビレ10技に、ザ・タイフーンは究極進化をすれば威力290のシビレ100技となります。

 ですからエターナルブリザードの方が威力が高くて強いので、ザ・タイフーンは残念ながら使い道がありません。……というわけではなく、ザ・タイフーンは威力が多少低い代わりにシビレが100もあるのですから、こちらは相手GKのシビレブレイクを狙えるという違った使い方ができます。「どんな必殺技も究極進化によって最強の必殺技に!」という言葉に嘘はありません。

 

 よって、自分の好きな必殺技を対戦で活躍させることができるようになりました。究極進化はGO1からあった「全てのキャラが同じような技構成になってしまう!」という問題だけでなく、無印からあった「この必殺技好きだから使いたいのに威力が低いから使えない!」というジレンマすら解消してくれました。

 

HNI_0061.jpg

▲ストーリーやアニメで活躍した必殺技を使いたい、という作品のファンの望みに応えてくれたシステムでした。やっぱりドラゴンクラッシュで得点してこその染岡さんです。

 

 この究極進化の書と、GO1からの仕様である「必殺技全スロット上書き可」というシステムを併せて、イナギャラは少なくともシリーズ中で最も技構成の自由度が高い作品となったことは言うまでもありません。好きなキャラで好きな必殺技を繰り出すというイナズマイレブンらしい楽しみ方を、素晴らしいまでに実現させてくれたシステムでした。

 

 

 

環境には少しだけ噛み合っていなかった?

 個人的にイナギャラで一番好きなシステムなので文句はほぼないのですが、問題点を挙げるとしたら、ファンの望みに100%応えてくれたと言うには多少語弊があることでしょうか。

 イナギャラには数多くのスキルがありますが、中でも「けしんのちょうわざ!」と「チェインシューター」のスキルの補正値が一際強力でした。FWがGKをトータルパワーで上回るにはこの2つのスキルのどちらかを積み、化身シュートで得点を狙うか、シュートチェインで得点を狙うという二通りの戦術が一般的だったと思います。

 ですから対人戦において究極進化したシュート技の中で実際に使われるのは、「チェイン型」の必殺技ばかりでした。「ロング型」や「シビレ型」などの必殺技ももちろん強いのですが、「チェインシューター」を積んだキャラの「チェイン型」の必殺技はお手軽で且つ高火力が出せるので、このチェイン型の必殺技の引き立て役だった、もしくは影に隠れてしまったという状態になってしまいました。

 

fc2blog_2016121722011860f.jpg

▲「ゴールに近付くことなく」「桁違いの火力が出せる」シュートチェイン。

 

 ……と言っても、この「チェインシューター」というスキルさえなければ「パワー型」や「バランス型」の出番が増えていたのかと言われると、そんなことはありません。むしろ「チェインシューター」がなかったらGKを突破する手段が大幅に減り、「けしんのちょうわざ!」一強になってしまうと思われるので、今以上に活躍の機会はなくなっていたと思います。

 かと言って「チェインシューター」に加えて「けしんのちょうわざ!」までなくしてしまうと仮定するならば、今度は逆に通常のシュート技ばかりが使われるようになり、GO2と同じように化身技の使い道がなくなってしまうことが予想されます。そもそも必殺技なんてめんどくさいことせずに横抜けするのが一番強いということになっていたかもしれません。

 

 ですから必殺技同士の強さのバランスは取れている方なので、これで良かったと思います。まあ、イナギャラの対人戦はエアプなので環境については疎いのですが。チェインの回数ぐらいには制限をつけた方が良かったのでは、とは思いました。

 

 

 また、イナギャラでは属性一致補正の倍率が非常に大きいので、技構成をホイホイと属性不一致の技で埋め尽くすというわけにはいきませんでした。GO1とGO2の属性一致補正はトータルパワーに最終的に+5されるだけという非常に小さいもので、そういう意味では技構成の自由度は高かったです。

 しかし流石にキャラ属性がほぼ飾りのような状態では問題があると思われたのか、イナギャラでは属性一致補正の倍率が引き上げられましたね。キャラには「○○のこころえ」というスキルを習得させ、無印のように属性一致技でスロットを埋めるのが得策となりました。

 

 ですから「このキャラにあの技を覚えさせたいのに属性不一致だから厳しい><」という板挟みに陥ることも考えられます。というか実際に陥りました。木暮を育成していた時に。

 

fc2blog_2016121721435651a.jpg

▲旋風陣を覚えさせたかったのですが泣く泣く諦めました。

 

 まあ、対人戦を想定していないのならばあまり関係はないんですけどね。究極進化した必殺技は不一致でも十分過ぎるぐらい威力が高いです。

 というかどちらかと言えば悪いのは木暮です。キャラの属性が固有技と噛み合っていないというのはそもそもこのゲームのキャラにおいてはレアケースなことです。無印のキャラの中にちらほら見られるぐらいで、GOの主要キャラの中だとアルファぐらいしかいません。

 

 

 

おわりに

 何が言いたいのかというと、イナギャラの究極進化はこんなにも神システムだったんです、ということでした。たったひとつのシステムでここまで過去作での問題点を解消してくれ、ここまでファンの要望に答えてくれたというのは、画期的と言う他ありません。紛れもなくイナギャラのチーム作りの楽しさが最強である理由のひとつとなりました。

 

 問題点は二点ほど挙げましたが、この究極進化というシステム自体には何の問題もありません。ただイナギャラにおけるトータルパワー計算式の変化や他のスキルとほんの少しだけ噛み合わなかったせいで、ちょっとだけ使いにくさを感じさせられただけでした。

 

イナズマジャパン

 

 この究極進化というシステムはシステムとしては既に完成されていたと思うので、次回作でも是非続投して欲しいです。