紺色のひと

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日本熊森協会のヒグマ認識がひどい

本ブログでは、”実践自然保護団体 日本熊森協会”に対し、その活動や生物への認識に明らかな誤りや偏りがあり、問題が大きいことを指摘・批判してきました。
熊森協会の主な活動場所は本州、ツキノワグマへの言及が多いのですが、ここ2年ほど北海道のヒグマに関する活動が目立ち、北海道在住者として危惧しています。本エントリでは、熊森協会のヒグマ認識について取り上げ、検証します。

◆これまでの批判記事

日本熊森協会(以下「熊森」)の活動の一部が、クマを助けるどころか、むしろ他の大きな問題を引き起こす可能性が高いことは多くの方が指摘しています。僕も、森にとってドングリをまくことは余計なお世話であること、クマに対する餌付け・給餌となってしまっており、人里へ近づける危険性があることといった生態学的な観点について批判記事を書いています。
また、「クマが絶滅する」と煽るような言葉の使い方をしたり、「クマを殺せばいいという道民は野蛮」という誹謗中傷を繰り返したり、行政への抗議電話やコピペによるパブリックコメントを大量に送るよう会員に呼びかけるといった、多くの会員を抱える団体として認識を疑われるような行動、さらに自ら学会を立ち上げて権威付けをしようとしていたり、協会に対する批判は無視し、自分たちの活動の科学的根拠を一切公開しないなど、科学を標榜しつつ科学的誠実さがまったく感じられない、協会のニセ科学的側面について指摘を行ってきました。




がおー。北海道の古い観光地にあるホテルには、このようなヒグマの剥製が鎮座しているところがあります。彼は「閻魔の権造」、10才のオスで全長2.50メートル、400キロもあったとか。



◆熊森協会のヒグマ認識

協会のヒグマについての認識は、以下の公式ブログ記事でうかがい知ることができます。

â—‹7月6日 札幌市長に、人とヒグマが共存するための提言を提出後、札幌市役所で記者会見−くまもりNews(魚拓)

ヒグマの食性は植物中心・・・ヒグマの食性はふつう98%が植物で、残り2%はアリやザリガニなどです。ほぼ、ベジタリアンといえます。サケなどの魚は好きですが、人間がダムを多く造ったため、今や、北海道でサケが上がって来る川は2本しか残されていません。

ヒグマは人を襲わない・・・マスコミ報道によって、「ヒグマは人を襲う」と誤解している方が多くいます。もし、ヒグマが人を襲う動物であるなら、毎年、全道で大量の死者が出るでしょう。その気になれば、ヒグマはいくらでも人を殺せます。しかし、ヒグマには、人を襲う習性はありません。自分や子供たちを守ろうとして、人間に向かうことがほとんどです


僕はこの中で

という点が強調して述べられていることに、強い違和感を覚えました。
ヒグマに人を積極的に襲う習性は今のところありません*1、が、ヒグマがベジタリアンというのはいろいろと誤解を招きそうなお話です。以下、ヒグマの食性や言葉の使い方について考えてみましょう。



※本エントリでは触れませんが、熊森協会の当該記事には「北海道でサケが上がって来る川は2本しか残されていない」などという道民にとっては噴飯ものの主張もあり、そちらについて指摘したものはtogetterでまとめられています。ご参照ください。
→poplaciaさんによる「熊森協会の「見過ごす事のできない主張」」連続tweetまとめ - Togetterまとめ





◆「ヒグマはベジタリアン」? 本当に?

指摘したい内容の一点目は、「ヒグマはほぼベジタリアン」という主張です。
一般的に、ヒグマの食性は雑食性――特に「機会的な雑食動物」であると言われています。季節や地域によって食べているものが大きく変化するのが特徴で、植物質が多い時期・地域もあるし、昆虫類や小動物、魚を積極的に食べる時期もある(ただし大型哺乳類を狩ったりはしない)雑食性、ということです。
北大図書刊行会『知床の動物―原生的自然環境下の脊椎動物群集とその保護』には、

  • 「ヒグマはいわゆる機会的な雑食動物であり、それぞれの生息環境において効率的に入手可能で栄養価の高い食物に依存している」
  • 「植物質への依存度は高いが、動物質が利用可能であれば、集中的にそれを利用する」

とあります。「機会的」すなわち「肉が容易に摂取できるチャンスがあれば食べる」雑食とでも言えばよいでしょうか。


また近年、エゾシカの増加に伴って、冬を越せずに自然死したシカの死骸もヒグマの食糧となっています。これら死骸に執着し、肉食傾向が強まっているとも報告されています。
これらのことから、「ほぼベジタリアン」との言い方は正確でないと感じます。
(参考:http://www.shiretoko.or.jp/bear/bear_01.htm#bear_2、ヒグマの四季 / 渡島半島ヒグマ情報 - 北海道渡島総合振興局)





※図は「ヒグマとのあつれきを避けるために」環境科学研究センター・林業試験場パンフレットより引用



さらに言えば、「ベジタリアン」という言葉は、「動物性のものを排除し菜食を行う人」というような意味合いで使われます*2。「植物も肉も食べる雑食性の野生動物」に対して、「植物しか食べない人間」を表す言葉を使っているわけです。意図があって植物のみを選択して食べることと、植物質も食べることは(たとえ植物の割合が多いとしても)全く異なります。ましてや、人間に対する言葉を動物に対して使うのは、ここでは擬人化が過ぎるでしょう。
ツキノワグマやヒグマを過度に、あるいは事実を歪めて「怖くないよ、優しいよ、悪いのは人間だよ」と主張するのは熊森協会の常套手段と言って良く、そのイメージが獣害対策の支障となることを僕は危惧しています。




◆熊森協会は自分たちに都合のいい引用をしているのではないか


……ところで。
僕も勘違いしていたのですが、上記「ヒグマがベジタリアン」というのは、熊森協会の森山会長独自のお言葉ではありませんでした(引用して説明しているのだから主張しているのと同じことですが…)。
先日公開された公式ブログ「汐文社 新刊書 「クマに森を返そうよ」 沢田俊子著が大好評−くまもりNews」(魚拓)によると、「ヒグマの会」の山本牧副会長が平成24年に東海大学札幌校舎のフォーラムで講演した中にある言葉だとのことです。

ヒグマについては、ヒグマの会山本牧副会長が平成24年に東海大学札幌校舎のフォーラムで講演された記録「ヒグマはなぜ里に近づいてくるのか」も読まれました。その中に、
1970年〜1980年までのヒグマの糞調査の結果、98%が植物質、残り2%は、アリ・ザリガニで、ほとんどベジタリアンだった。しかし、近年、人間が山でエゾシカを撃って放置するようになってから、シカの死体を食べるヒグマが出てきた
という記述があります。沢田さんは、人間が、クマの食性まで無茶苦茶に壊していっている現状に、胸を痛めておられました。
(汐文社 新刊書 「クマに森を返そうよ」 沢田俊子著が大好評−くまもりNewsより熊森協会による引用

本当にそんなことを言っていたのでしょうか?
さっそく、講演資料にあたってみました。こちらです
→人とヒグマの共生に向けて~南沢地区まちづくり協議会がブックレットを製作/札幌市南区
本講演は、ヒグマの出没が急に増えた札幌市南区南沢の住民が、大学や研究者と協同し地元向けの講演会を開き、さらにブックレットにまとめたものです。資料の9ページに該当部分があったので、正確に引用してみましょう。

 クマは本当にどこを消化したのだろうと思うぐらいほとんどが未消化の草のかたまりみたいな糞をします。クマは犬やネコと同じような食肉目(ネコ科)で、クマ科というグループに属していますが肉ばかり食べている訳ではありません。
 私たちは1970年代から1980年代にかけて糞の調査をしましたが、そのころは98パーセントが植物質でした。残りの2パーセントはアリとかザリガニとか自分の体を舐めた体毛などで、ほとんどがベジタリアンの生活でした。
(上記講演会資料「ヒグマと人との出会い 住宅地に出てくるヒグマの実態と安全対策」より、ヒグマの会副会長 山本 牧氏による)


本当だ、「ヒグマはほとんどベジタリアン」って言ってますね。(それにしても、熊森協会さんによる引用は、他人の講演の文章だというのに不正確ですね。)

ただし、これは「糞の中の植物質の割合」が98%なのであって、実際に食べているものの98%が植物質である、とはまた違った意味を持ちます。糞の中の植物質の割合が98%というのは、食物中の植物質の割合だということと同じではありません。また、消化吸収の悪い繊維質ばかりが残り、見かけ上の植物質の割合が増えていることも考えられます。(→id:doramao さんがこの内容について指摘する記事を書いてくださいました。後述します[5/12追記])


擬人化するのは確かにわかりやすいけれど、やっぱりヒグマに対して「ベジタリアン」という言葉を使うのはしっくりこないなあ…と思っていたら、元の文章には続きがありました。

 ところが最近はちょっと変わってきています。ご存知のようにエゾシカが増えていまして、シカが森で自然に死んだり、狩猟で撃たれた死骸が放置されていたりすることがありますから、クマの食べ物の中にシカ肉がすごく目立つようになりました。
 それと、当時と非常に大きく違う点は農作物です。私たちが調べた時には農作物に手を出すクマはあまりいませんでした。全くなかった訳ではありませんが、今はコンスタントに主食の一つとして夏の終わりから秋にかけて農作物を食べています。これは非常に大きな変化で、後で詳しく述べますが、クマの栄養状態を良くすることと、クマの行動範囲を人間の近くにまで近づけるという意味で、非常に厄介な状態になっています。
(強調はアサイによる)


なんと、「ヒグマの糞は98%が植物質」だったのは1980年代までで、その後糞の中にはシカ肉が多くなってきたり、また農作物が増えているというのです。植物質の正確な割合はわかりませんが、98%よりは少なくなっているものと読めるでしょう。
……それなのに、いまだに「ヒグマはほぼベジタリアン」って言っちゃっていいんでしょうか? どうして、わざわざ古いデータに関する記述を引用してヒグマを語ろうとするのでしょうか?


さらに問題があります。
熊森協会は上記ふたつの公式ブログ記事の中で、ベジタリアンという言葉は取り上げるものの、シカ肉の割合が増えていること、また農作物が増えていることについては一切触れていません。さらに言えば、シカの死骸が「狩猟や駆除により」放置され、そのせいでクマの食性が変わった……とは書いていますが、シカが増加して死骸が増える一番の要因であるはずの自然死については書いていません。


あえて邪推をすれば、これはハンターや狩猟に対する印象操作です。”狩猟=死骸を増やし、クマの食性を歪める悪しき行為”だと悪いイメージを読者に植え付けようとしていると読めます。
また「ヒグマがベジタリアン」というのも、「ヒグマは草食動物だよ、やさしいよ」「それを殺すなんてハンターはなんて残酷なんだ」という「人間=悪」「動物=善」という二元論への印象操作の一環であると読み取ることができます。
草食動物だから危険ではない、なんて主張が通るわけがないのは当然ですから、今更言う必要もないでしょう。どちらが善いとか悪いとか、もともとの責任は人間にある、なんてことを言い続けていて、獣害に苦しめられている方の問題は解決するのか、僕は非常に疑問に思います。


まとめます。
元の文脈は、「糞を調べると、昔は植物質がとても多かった(ほとんどベジタリアンのようなもの)けれど、今はシカ肉も食べるし、農作物も荒らしてるんだよ」というものでした。しかし、熊森協会は「ヒグマはほとんどベジタリアン」の部分だけ抜き取り、さらに「シカ肉を食べるようになったのはハンターが肉を捨てたせいだ」と主張しているわけです。これは元の発言を恣意的に抜き出し、自分たちの都合のいいように引用したものと判断できます。
この熊森協会の姿勢からは、科学的誠実さや発言の信頼性など、到底感じることはできません。


たとえば、僕が上記ヒグマの会の講演記録を読んで、こう書いたらどうでしょうか。
「ヒグマはお百姓さんたちが一生懸命つくった野菜を無残に食い散らかす、強盗のような強引さと泥棒のような厚かましさを併せ持った動物です。おまけに、昔は食べなかったエゾシカの肉も食べるようになり、犯罪者のようにとても凶暴な性格に変化しました。」
ひどい、と思うでしょう? 熊森協会が行っている、文脈からの恣意的な抜き出し、過度の擬人化、というのはこういうのと同じことです。



◆熊森協会はヒグマによる農業被害を問題視していないのではないか?

農作物の被害については、先の講演集で触れられているにも関わらず、熊森協会のブログでは話題にすら出されていません。農作物に誘引されて人里に近づく、という点を無視しているとも言えます。この理由を邪推するなら、出没の要因として「農作物への誘引」を認めた場合、自分たちの活動である「どんぐり運び」や、畑の余った作物を飢えたクマに与える活動などを真っ向から否定することになってしまうからです(だから未だに、廃棄するキャベツをクマに与えるべき(魚拓)などという現行の獣害対策とズレまくった主張ができるのです)。


この「ヒグマによる農作物被害」は、北海道で大きな問題になっています(ヒグマデータの解説:被害情報−北海道渡島総合振興局)。熊森協会は上記の札幌市の提言で「ヒグマは人を襲わない」と主張しており、人的被害の対策の無意味さについて訴えたいのかと考えられますが、そういう問題ではないのですよね。クマが人を襲おうと襲わなかろうと*3、実際に畑は荒らされて、農業者に金銭的被害が発生しているわけですから。

参考:道総研セミナー ヒグマ出没の背景と対策を考える −森とクマと人と−



※図は「ヒグマとのあつれきを避けるために」環境科学研究センター・林業試験場パンフレットより引用




◆まとめ

熊森協会の主張内容やその発信姿勢には、科学的な態度が見られなかったり、他人に根拠を問うのに自らは根拠を出さなかったり、さまざまな問題点があります。僕も色々と思うところはあるのですが、それらに対してここで言葉を尽くすことはしないでおこうと思います。罵詈雑言を尽くしても、何も解決しないでしょう*4。「ひどい」ということではなく、「どうひどいのか、なにが問題なのか」を周知し、問題点を洗い出すことが、よりよい活動への第一歩だと考えているからです。
できるものなら、こうしたwebからの意見にも耳を傾けていただいて、よりよい組織・活動になってくれることを僕は祈っています。
これは皮肉ではありません。


なお、上記くまもりNewsで紹介されている、熊森協会を取材した本「クマに森を返そうよ」は未読ですので、この場での感想などは控えさせていただきます。

クマに森を返そうよ

クマに森を返そうよ

感想が書かれたこちらのブログのコメント欄にご本人と思しき方の書き込みがあるので、参考にさせていただこうと思います。

●ヒグマ関連記事・参考資料●

●エピローグにかえて●

私たちも、正直に誠実いっぱいに、これまで生きてきた人間です。
(2月12日 同じ兵庫の山、同じ兵庫のクマを見ているのに、どうしてここまで出した結論が正反対なのか――日本熊森協会と兵庫県森林動物研究センターとの第1回意見交換会−くまもりNews(魚拓))

他人が検証不可能なものは、科学ではありません
(「兵庫県第3期ツキノワグマ保護管理案」パブコメのお知らせ 本日1月31日が最終締切日です−くまもりNews)

先生は、膨大なデータを持ちながら、どこにも発表されません。発表することに等、関心はないのです。自分が知りたいから調べておられるのであって、人に認められたいから調べておられるのではありません。
(2004年、ドングリ運びを指導して下さった研究者の家を訪問<植物編>−くまもりNews)

2004年にドングリ運びを批判された大学の先生がひとりおられます。わたしたちは、膨大な研究データーを持って会いに行き、数時間とことん話し合いました。そのときのようすは全てビデオに撮ってあります。きたるべき時が来たら、内容を公表しようかということも考えています。
ドングリ運び批判について−くまもりNews


●5/12追記:「ヒグマの糞の中の植物質が98%」について●
id:doramao さんが、「ヒグマはほぼベジタリアン」という言葉の使い方について記事を書いてくださいました。
ヒグマってベジタリアンなの? - とらねこ日誌

食事由来のたんぱく質、糖質、脂質の3大栄養素はそのほとんどが消化吸収され、残ったものの多くはセルロースや他の消化吸収の難しい成分や体から剥がれ落ちた老廃物、腸内細菌の屍骸、粘液や水分であり、これが糞便の成分なのです。
だから、糞便に含まれる植物質の割合が98%であるのが本当だったとしても、それは食事の98%が植物質であることを意味しないし、おそらくその割合はもっと低いと推察されます。

ヒグマを保護したい・・・その気持ちはわかりますが、その為にはヒグマの事をよく知らなければ望ましい対策を立てることも出来ないでしょう。
誤った理解から、ヒグマはベジタリアンだから人や家畜を襲わないと思わせてしまう危険性があるかも知れません。

●5/12追記:「ヒグマが人を襲う」か? について●
本記事に対するコメント等で、過去にヒグマによる悲惨な人命被害が出た「三毛別羆事件」や小説「羆嵐 (新潮文庫)」、また「福岡大ワンゲル部・ヒグマ襲撃事件」について触れ、「ヒグマが人を襲わないなんて(嘘だ)」と書いている方が見受けられます。
僕は、これらの事件を理由にして「人を襲う」とする論法には賛同できません。これらの事件は、人の味や匂いを覚え、それに執着する個体の危険性を知ることの例として考える分には良いのですが、これらをもって「ヒグマは人を襲う」と判断することはできませんし、そのような習性があるわけではありません。逆説的で不謹慎な言い方ですが、「ヒグマが人を襲うのなら、もっとたくさん人が襲われて食べられている」はずなのです。「襲ったこともある」事件を例に、種としての習性を決定づけるような主張は避けるべきでしょう。
もちろん、餌やりや、過度に人間との距離を近づけるような行動が、こういった”人間に執着する”個体を増やしてしまう(可能性がある)ことは考慮すべきです。


(5/12 9:55 糞の中の植物質の割合について追記しました。強調部分を変更しました。参考資料・記事を追加しました。)
(5/12 12:00 誤字を修正しました。doramaoさんの記事にリンクしました。)
(5/12 21:30 「ヒグマは人を襲う」か、について追記しました。)
(5/13 22:05 「クマに森を返そうよ」について少しだけ追記しました。)
(5/20 20:00 文章表現を修正しました。)
(9/25 18:40 文章表現を修正しました。)

*1:餌と認識したものを排除しようとしたり、一度食べた肉の味を覚えて執着したり、という習性の結果「襲った」事例はありますが、それを「人を襲う習性」とまで言っていいかは疑問だと思っています

*2:細かな定義づけがあることは存じておりますが、ここでは割愛します。

*3:なお、僕は「ヒグマが人を襲うか否か」について、三毛別事件や福岡大ワンゲル部事件を例にとったうえで「襲う、だから恐ろしい」とする論法には賛同できません。一度狙った獲物や肉の匂いに執着することと、積極的に人を捕食対象として狩りを行う習性があるかは別の話です。

*4:熊森協会のwebサイトにも「憎しみや対立からは何も生まれない」と書いてあることですし。この点、僕は同意します。建設的な話につなげるべきでしょう、これは皮肉でもなんでもなく、僕の本心です。