レムデシビルとヒドロキシクロロキン 6

前回では、ヒドロキシクロロキンの治療薬としての可能性を、マクロライド系抗生物質との係わりで探ってみました。アジスロマイシンについては、「コロナ」というサブワードでの関心が強いことがわかりました。、やはりヒドロキシクロロキンとの併用を念頭に置いた、市井の人々の知恵の集結なのでしょうか。この展開はなかなか面白いと思ったので、もうひとつのマクロライドである、クラリスロマイシンについても考えてみます。

咽頭炎、扁桃炎、慢性気管支炎の急性増悪、肺炎(特にマイコプラズマ肺炎とクラミジア肺炎)、皮膚感染症、非結核性抗酸菌、レジオネラによる感染症の治療、ヘリコバクター・ピロリの除菌療法に用いられる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/クラリスロマイシン

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クラリスロマイシン Wikipediaより

このように、肺炎にも効く抗生物質で、よく使われるのはピロリ菌(おなかの病気)の治療なんですね。

クラリスロマイシンの関心の向きを検索から

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クラリスロマイシンと組み合わせて検索されたワード

どうも、気になるサブワードが紛れ込んでいるようですが・・・。

クラミジア

そういえば、アジスロマイシンのサブワードでも、Yahooの7番目に「クラミジア」が入っていなかったっけ?

クラミジアとは、微生物のなかで、もっともウイルスに近い性質をもつ原核生物です。よく「クラミジアにかかった」などと若い男女が内緒ばなしをするイメージがありますが、やはり抗生物質で何とか治そうと通販を検索するという発想なのでしょうか。
そのクラミジアに効く(とされる)アジスロマイシンと、クラリスロマイシン。
では、クラミジアに効くのと、コロナウイルスに効くのはどういったつながりで、可能性が出てくるのでしょうか。違う病気なのに・・・。

一方で、非生物の特性を併せ持つウイルスでは、ゲノムを持つRNAウイルスとしてプラス鎖のもの(コロナウイルスなど)とマイナス鎖のもの(インフルエンザウイルスなど)の両方が見つかっている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/リボ核酸
思い出してみると、インフルエンザウイルスを勉強したとき、コロナウイルスとちがって、リボ核酸の内部で、マイナス鎖の一本鎖だという点がありました。だから、インフルエンザのワクチンは予防に不十分だった、治療も同じではないということなのですが。
これは、逆に考えれば、コロナウイルスに効く(かもしれない)抗生物質で、クラミジアに効くということは、似ている部分というか、ヒントがあるのでは?

クラミジアは何の病気を惹き起こす?

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クラミジアの係わる病気

なるほど・・・。クラミジア肺炎というのが、あるんですね。こうしてみると、やっぱりコロナウイルスと似ているというか、つながる部分が見えてきます。

そもそも「コロナ」の略称で呼ばれるようになったのは、感染症のこと。なんの感染症かといえば、新型肺炎。1月くらいには報道機関でもそう呼ぶことが多かったのを思い出します。

コロナウイルスの肺炎と、クラミジアの肺炎には、なにか共通項があるのでは?

考えてみると、抗ウイルス薬であるレムデシビルが、いち早くCOVID-19に効くと期待されたのは、ウイルスの「RNAポリメラーゼを阻害する」という作用機序がポイントだったはず。

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レムデシビル Wikipediaより

この、ポリメラーゼは、ウイルスが遺伝情報をmRNAに転写し、たんぱく質を合成するための部位。レムデシビル自体はもちろん、ウイルスを阻害するのですが、ヒトのポリメラーゼには作用しない、ということが大事になってきます。
ややこしい話ですね。でも、少しゆっくり考えてみると、さほどおかしな話でもない気がします。
ウイルスはその遺伝情報を、ヒトの細胞のなかに仮住まいして、その状態でしか増殖できません。その増殖を止めるのが、ウイルス治療薬の役割。でも、遺伝情報を複製するのは、なにもウイルスだけではなく、ヒトも毎日複製しています。だとすると、ヒトとウイルスを分けて、ウイルスにだけ攻撃(阻害)を加えられる薬品が欲しい。

ウイルスにだけ効く薬品っていったい何よ?

これを考える上で、クラミジアはなかなかいい線をついています。ヒトがかかりやすい病気のひとつでもあり、とにかく感染力が強いので、その辺に蔓延している可能性もある。だから、通販で買いたいという関心の向きが、検索結果にもあらわれている。
だとすると・・・。
レムデシビルではなく、ヒドロキシクロロキンとの併用で、クラミジアに効く抗生物質が使われた理由って何かあるよね?
ここを考えると、もう少し前に進めそうな気がします。
というあたりで、今回はヒントを撒いて終えたいと思います。

参考:レムデシビルとヒドロキシクロロキンの現況

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レムデシビルとヒドロキシクロロキンのツイート数

ツイート数の推移をみると、レムデシビルは日本語については、「24時間で80件」英語については「2時間で50件」の数字、ヒドロキシクロロキンは日本語については、「24時間で70件」英語については「2時間で320件」の数字でした(8月11日13時現在)。とくに変動したのは英語のヒドロキシクロロキンが減少したことでしょうか。これは誤差の範囲かもしれませんが、レムデシビルとのレースでは抜かれたり、追い抜いたりといった状態がまだ続くのかもしれません。
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