今朝は雨が降ったようで、久しぶりに涼しい朝を迎えられた菅野です。
前回の記事「日々のExcel管理を効率化するPythonスクリプトをChatGPTに作ってもらう」には多くの反響をいただきありがとうございます。
前回は、Pythonスクリプトを生成することで、Excel管理の作業を自動化することを目的としていました。 ただ、エンジニアでない社員からは、以下のようなコメントをもらいました。
ということで、今回はPythonスクリプトを意識することなく、ChatGPTのCode Interpreterのみを用いてExcelの集計・編集作業を行ってみます。
今回のテーマではGPT-4モデル、Code Interpreterを使用します。
今回利用するサンプルデータ
利用するサンプルデータは前回同様、Webサイトのアクセスデータをイメージしたものになっています。
時間ごとのアクセス数などが記載されたファイルが1日1ファイル作成される想定です。
日ごと出力されるExcelファイルを一つのExcelにマージする。
まずはバラバラに出力されているExcelファイルを1ファイルにマージしてみましょう。
先日のアップデートでCode Interpreterへの複数ファイルアップロードが実施できるようになりました。 簡単な依頼文とファイルのアップロードのみでExcelファイルのマージを実行してくれました。
1ファイルあたり24件、240件のデータがマージされた意図通りのファイルが出力されました。
集計シートも作成する
1ページ目には生データを保存しつつ、2シート目には集計結果も保存してもらいましょう。
集計方法を指定するだけで集計結果シートを追加してくれました。
単純な合計、平均だけではなく、ピボットテーブルでは指定する際に少し手間のかかる直帰率の再計算まで難しい指定なしで実施してくれています。
グラフを作成する
レポートとして報告する場合、グラフを作成して視覚的にした方がより相手に伝わりやすくなります。
グラフ作成も自動で行うように変更してもらいましょう。
なにやらエラーが発生したみたいですが、自己解決して再出力してくれた模様です。
簡単な指示でもグラフを追加してくれますが、さすがにちょっと一つのグラフに全部まとめてしまってはあまりアピーリングではないですね…。
どんなグラフを出すのが効果的なのかもChatGPT自身に考えてもらいましょう。
一般的なWebページ分析で必要そうな分析シナリオを出力してくれました。
では、上記のシナリオに役立つグラフを出力してもらいましょう。
マージされたシートに対するグラフ描画のみを実施してくれました。
出力されたファイルが以下 。
※グラフ表示位置は手動で調整しています。
おや、5つのグラフのなかで、日別コンバージョン率と、新規vsリピート訪問者数グラフが意図通り出力されていないみたいです。
その旨を指摘して再出力してもらいましょう。
多少ミスがあったとしても、すぐに直してくれるのでTry&Errorがしやすいですね。
無事5つのグラフが出力されました。
今回は簡単なやり取りでどこまで出力できるかを試しましたが、より詳細なプロンプトを入力すればもっと効果的な分析もできそうですね。
まとめ
前回はExcelを加工するPythonスクリプトを出力してもらいましたが、今回は直接Excelを出力してもらいました。
分析シナリオの例を出力してもらい、そのシナリオに沿ったグラフを出してもらう等、利用者側にアイディアがない場合でも、プロンプトを工夫することである程度のグラフは簡単に出力できそうです。
今まで、ChatGPT Code Interpreterを利用して、Excelのデータを分析してグラフをプロンプトに表示することは実施していましたが、Excel内にグラフとして出力することも可能だと分かったことは一つの収穫でした。
データを継続して処理するようなケースであれば、PythonスクリプトやExcelマクロでの処理などの方が都合が良いかもしれませんが、ある程度シナリオを推測して、必要そうなグラフの描画までできるのは、Code Interpreterの強みだと思いました。
ぜひご活用ください。
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