ヌーシャバド(Nushabad)の地下都市、古代イランの遺跡。その後、現在までに分かっていること

地下都市といえばトルコのカッパドキアが有名だが、実はイランにもよく似た巨大な地下都市が存在する。 カシャーンの北、ヌーシャバドという小さな街の地下に広がる地下都市で、発見されたのは2005年ごろと新しい。地元民が井戸ほってる最中に穴にぶち当たったところから発掘がスタートされており、現在までに地下三層まであることが分かっている。 この…

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古代エジプトにおける「ホロホロ鳥」、文学表現に見る鳥の位置づけ

コロナ禍の間はみんな気をつけてマスクして、うがい手洗してたのに、その習慣が失われ案の定、世の中は元に戻りましたね。 というわけで「インフルにかからない体質」な中の人、今年も周囲がぶっ倒れてる中で最終防衛線を守ってます。ベテラン勢が三人いないぜイェー! 新卒二人と自分だけで今週耐えるんですか?? マ??? 年末休みは…休みは…まだです…

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レプリカは本物と何が違うのか。「ミステリー・オブ・ツタンカーメン」に行ってみた

予定表に突っ込んだまま完全に忘れていて、朝アラートが出ているのを見て「あれ今日ってなんかあったっけ…」「ああこのイベントか」みたいな感じになり、そのまま出かけてきた。横浜で12/14から開催のイベント、「ミステリー・オブ・ツタンカーメン」。 公式 https://tutankhamen.jp/ 体感型イベント、とあるの…

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古代エジプト世界に「飲み屋」はあったのか? →多分あった

古代エジプトのネタといえば、この本は必須。長らく絶版になっていたものが近年になって文庫版で復活。 タイトルが「神話」だけど、訓戒文学やシヌヘの物語のフルバージョンなども入っており、マニア界のバイブル的なポジション。読み込めば読み込むほど勉強になるところも多く…。 エジプト神話集成 (ちくま学芸文庫) - 杉勇, 屋形禎亮 …

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カンボジアの密林寺院群に、古代エジプトのピラミッドと共通する思想は読み取れるのか。王命による宗教複合施設の雛形につ…

少し前に、カンボジアのアンコール遺跡についての本を読んだ。タイトルからして分かるとおり、アンコール遺跡群を作るにあたり、いかに水を制御し、農耕地を増やして国力としていったのか、という話である。9世紀ごろから建造開始され、王朝衰退とともに忘れ去られ、19世紀に再発見されるまで密林の中に埋もれていた。有名なアンコール・ワットやアンコール・ト…

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古代エジプト人が使っただろう鎮静剤・エジプトヒヨスについての覚え書き

古代エジプトの医療パピルスの中には、現代でも使われる薬効のある植物がいくつか出てくる。中でも劇薬の一つだなと思うのがエジプトヒヨス。これは古代語の「ペセジェ」が該当するとされるが、別の説もあるため、実際に古代人がヒヨスのことを何と呼んだかは確定していない。 ただし、ヒヨス自体はエジプトに古代から自生しており、使わなかったはずはないと思…

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上級スキルの一極集中は文化消失の危険性が高い。古代世界における属人化について

設計構築からプログラミングまで、何でもこなせるスーパーエンジニアが突然退職したら大変ですよね? Excelマクロがロストテクノロジー化、システムメンテのノウハウ失伝、顧客との過去のやり取りが不明になり契約条件を最初から見直し。少人数でやってる中小企業にはありがちな状況かと思います。 で、ふと思ったんですけどこれ、たぶん古代世界…

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古代エジプトにおける「街の神格化」、グレコ・ローマン時代のものが有名だが、それ以前からあったらしい

都市の擬人化(女性化)は中世・近代・現代と事例が多いが、古代エジプトでは、街を女神として神格化する文化があった。というか、グレコ・ローマン時代のものが有名なので、元々ギリシャかローマの文化だと思っていたのだが、実はそれ以前の時代にも事例があるという。 というわけで、まず基本的なところから抑えていこう。 あれっと思ったのは、こちら…

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古代エジプト王の名前「五重名」の変遷と意味

古代エジプト王の名前は、基本的に五つセットである。 五重名とも呼ばれる。ただ、この五つがフルセットで分かっている王は意外と少なく、時代によっては一部が使われていない。 と、いう話を調べていたので、まとめておきたい。 ●五重名フルセット揃ってる例 こちらのトトメス3世、エジプトの版図を最大にした古代覇王の五重名。 名…

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日本で発見された更新世の骨「牛川人」は人間ではなくクマで確定。いわゆる「原人」化石は浜北人のみに

昭和の時代に原人ブームというものがあり、各地で原人を探そう!みたいなのがあったり、原人っぽい化石が見つかったところに石碑が立てられたりしていた頃があった、と本で読んだことがある。 中の人も、その頃のことは伝聞でしか知らないのだが、村興しの一貫として古い遺跡が利用されていたらしい。悪名高き日本考古学史の汚点、「旧石器捏造事件」はその延長…

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行きたい場所は、行けるうちに行っておこう! アイスランド・ブルーラグーンが断続的に閉鎖されてる件について

2023年11月に始まったアイスランド南西部の噴火は、実はまだ終わっていない。ニュースに流れていないものの、11月末に入って再び噴火、グリンダヴィークの街とブルーラグーンの辺りが再び封鎖されている。 外務省サイト情報 https://www.is.emb-japan.go.jp/itpr_ja/volcano.html …

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パレスチナの文化財破壊が止まらない…リストを見てちょっと泣いた

何度か書いているが、イスラエルの無差別攻撃でパレスチナの文化財が片っ端から破壊・略奪されている。 もう片っ端からなので、無事なものはないと思ったほうがいいくらい。辛い。 Wikipediaの英語ページにリストが出来ていたので参考までに…マジ根こそぎやで…。 Destruction of cultural heritage du…

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マニアックなところまで網羅された神話特化本「図説古代エジプトの神々・神話百科事典」

なんかまたえっらい分厚いマニアックな本が出たのですよ。エジプト神話と神々の辞典。「古代エジプトの辞典」じゃなくて「神話」特化。 マ? と思って早速買って見てみたのだが、ほんとに神話特化でものすごい細かいところまで載ってる。スゲエ! 図説古代エジプトの神々・神話百科事典 - ジャン=ピエール・コルテジアーニ, 近藤 二郎, 近藤 …

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VR古代エジプト「Horizon of Khufu」に行ってきた。良く出来てるけど、めっちゃ脳に負荷がかかるので覚…

12月にオープンしたVR体験施設で、クフ王のピラミッドの内部や古代世界の探検が出来る「Horizon of Khufu」というイベントをやってるので、早速行ってきた。お値段ひとり5,000円。所要時間は約1時間。めっちゃ強気なお値段なのだが、内容はまあまあ。横浜駅に直結の建物でやってて交通の便はいいので、立地代も入っているのかもしれない…

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中部エジプト・ソハーグ(アトリビス神殿)の未発掘エリアから神殿が追加で発見される。内ゲバ時代の神殿だぁ!

中部エジプト・ソハーグにある、アトリビス神殿のまだ発掘されていない部分から、知られていなかった神殿が出てきたとのこと。 ここに神殿が作られていたのはプトレマイオス朝で、出てきた名前はプトレマイオス8世なので紀元前170年以降。「古代エジプトの神殿」と言いつつ、実際にはグレコ・ローマン時代なんですよね。 Egyptian-Germ…

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