ツタンカーメンの墓の副葬品がやたら豪華なのは何故なのか。もしかして「アマルナ王家の総決算」だったのでは…?

ツタンカーメンの墓から出た豪華な副葬品は有名で、黄金のマスク以外にも、ベッドや厨子、衣類に像といったものの写真を、どこかで見たことのある人は多いと思う。レプリカも多く出回っていて、実際の発見シーンを再現した展示会も何度か行われている。 サンプル https://www.smithsonianmag.com/smart-n…

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古代エジプト「バカのピラミッド」www → 実はその王、存在しなかったかもしれなくてな…?

「バカのピラミッド」という出落ちみたいなフレーズが書かれているWikipediaのページがある。 まあこれ、いつもの(いつものというのもアレだが)説明内容不足なんですよね。見た目インパクトあるんで覚えてもらうぶんにはいいかもしれないんですけど、大事なこと、というか大事なネタが抜けています。 https://ja.wikipedi…

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パレスチナの人道危機でエジプトに難民流入、だが実はその前から難民いっぱいいるんだよなぁ…という話

イスラエルによる虐殺行為により、多くのパレスチナ人がガザ地区から隣のエジプトに逃げ出している。その数は公式にはカウントされていないらしく、人数を調べても確かなソースが出てこない。だいたい10万人、とされているが、実際にはもっと多いともされている。 というかエジプトが難民としての正式な受け入れをしていないため、国境で止められている人もか…

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本が出て数年なのにもう書き換え必要な箇所があるという現実、「人類の起源」

なんか本屋でプッシュしてたので適当に読んでみた。この本は、最近の研究を丁寧に拾ってバランスよくまとめた、本が出た当時の「最新」人類史の本である。 当時の、と言ったのは、既に書き換えの必要な箇所がいくつかあるから…。この本に出てくる内容のかなりの部分は、このブログでも論文などを拾ってきているので内容的には無難なところだなと思ったのだが、…

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初期ネアンデルタール人とホモ・サピエンスの埋葬形態が違う→ネアンデルタールのは埋葬じゃないのでは…?

少し前に、シャニダール洞窟のネアンデルタールの埋葬についての再調査の話を書いた。 知らない人に説明しておくと、シャニダール洞窟とはイラクにある遺跡で、「ネアンデルタールは死者に花を手向けて埋葬されていた!」と色んな本に書かれている有名な場所である。 だが、調査されたのが昔すぎて、「そもそも鼻は本当にあったのか」「埋められてたのが…

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古代のメソポタミアには「預言者」がいるが、古代エジプトには居ない。~神から言葉を預かる職業宗教人の有無について

「預」言者とは、文字通り神から言葉を「預かる」人のこと。神と会話して、何か重要な事項を預かってくる役目・能力を持った神官のことだ。 有名どころではイエスやムハンマドといった預言者がいるが、彼らの前に、多くの神に属する多くの預言者たちがおり、たとえば、旧約聖書では、バアル神の預言者とヤハウェの預言者が競った箇所がある。 つまり、もとも…

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最近のSNSの治安が「2ちゃん以下」だよねという話題に→板が別れてないんだからそりゃそうじゃない?

年末も近づき、忘年会や送別会の季節ですね。肝臓の準備はよろしいか。 というわけで、飲み会ついでに最近のSNS、とくにX(旧Twitter)の治安が終わっている、という話をしていたのだが、00年代インターネッツを知る通称「インターネット老人会」世代からは、「かつての2ch以下」という評価が多かった。 荒らし投稿する奴があぼーん(削…

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グレコ・ローマン時代のベス神信仰は、イケない薬でトリップしていた? ベス神マグカップの中身の分析から

エジプトでは、新王国時代以降、なぜかベス神の顔を模した壺・コップの類がたくさん作られるようになる。 こちらは新王国時代のスイレンを模したベス壺。このタイプはそんなに数は多くない。 年代不明だがベス神だとわかりやすい壺。このタイプはよく見かける。 末期王朝以降だと、もはや顔ついてれば何でもいいや的な適当なのも…

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ラメセス2世とツタンカーメンの共通点「嫁が年上」から考える、子作り最優先の世界

ラメセス2世とツタンカーメンには意外な共通点がある。嫁(正妻)が年上 というところだ。 そして両者とも、かなり早い段階、おそらくローティーンの時代から子作りを始めている。つまり合法オネショタ、いや、古代世界では成人している年齢と言えなくもないので、元服したら即結婚してお世継ぎ作れ。みたいな日本の戦国マインドに近いかもしれない。 …

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ノルウェーのコンティキ号博物館、遺物を追加でイースター島に返還。トール・ヘイエルダールの意味も変わってきた?

ノルウェーのコン・ティキ号博物館に収蔵されているラパ・ヌイ(イースター島)の遺物の返還が、追加で行われるというニュースが流れていた。 「調査が終わったら返す約束だったし、調査はもう、だいたい終わったからね」という話。最近の調査のおさらいがてら、取り上げてみたいと思う。 Norway's Kon-Tiki museum retur…

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伝説はなぜ必要とされたのか「女教皇ヨハンナ」

日本の天皇に女性がなれないのは問題だ、などという批判に対して、教皇も男性しかなれない職業じゃんか。と返す現代SNS的なレスバもなんか見飽きたなあ。という感じなのだが、なんとなく「女教皇ヨハンナ」の本を見つけたので読んでみた。 既に知られているとおり、女教皇は史実としては確認出来ず、モデルとなった特定の人物もいない、現在では虚構とさ…

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某ソシャゲでツタンカーメンが実装されたので、ツタン様のフルネームを置いておきますね

某FGO(もはや某ではない)で、銀髪褐色ショタが! と話題になっていたツタン様。 はいかわいい。 これに惚れた人は実物のミイラを検索してはいけない。古代エジプト、ミイラにしてえらい人を残すので、恐ろしいことにオジマンディアスもツタンカーメンもご本人様(生)が現代に残ってるのですよ。 (ツタン様はめっちゃ研究されてるから、業…

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田んぼの水路は「川」の一部。水田漁撈(ぎょろう)について

日本人の主食はコメだが、歴史的に、コメ以外にも多くの食料が食べられてきた。 そんな多種多様食料について、考古学資料から種類や意味、頻度などを解き明かそう、という本があったので、なんなとく読んでいた。 海で魚を取る、山で狩りをする、クリなどを植えて利用する、といった内容は、縄文時代の資料でさんざん見てきたのだが、今回は、今まで自分が意…

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ESA(欧州宇宙機関)、小惑星アポフィス探査ミッション「ラメセス」発動。オタクこういうの大好き

ESA,小惑星とか探査機の名前にエジプトネタ使うんで、オタクニッコリ。こういうの好きなんですよ(にこにこ) アポフィスはエジプト神話に出てくる、太陽を飲み込む破滅の大蛇アポピスから来ている名前で、地球に衝突するかも?! と定期的に騒がれるやつ。ラメセスはもちろん、第19王朝の偉大なファラオの名前。 ESA、小惑星アポフィス探査ミ…

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古代エジプト・第12王朝の高官、ジェファイハピさんの墓から新たな棺が見つかる

エジプトの墓は、過去に発掘されていても、その後、再び砂に埋もれているものが少なくない。砂漠の国なので、定期的に掃除しないと砂が溜まってしまうのだ。で、墓の数があまりにも多すぎるので、全部を毎年掃除するとかは出来ず、数十年ぶりに再調査しようと思って行ったら完全に埋もれてて場所わかんななくってたww とか、あるはずだと思って掘った墓と別の墓…

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