孤独な弧度法

ブログのタイトルは完全に語感だけで決めました。そこそこ良いブログ名だと自分では思っています。

2024年10月に読み終わった本リスト

この時期くらいに転職活動は終えていました。

 

 

基準:

  • 当該月に読み終わった本が対象(※読み始めたのがその月とは限らない)
  • 最初から最後まで目を通した本を『読み終わった』と定義

 

昨月の記事:

2arctan-1.hatenablog.com

 

目次:

 

 

 

上流から下流まで生成AIが変革するシステム開発

QRコードを読み込んでポイントを貯めるアプリ開発を例に、システム開発において生成AIをどう使うかが実際の生成例などと併せて書かれた1冊。

この手の分野は本当に生え変わりが激しいので細かいツール部分はすぐ陳腐化することは置いておくとしても、全体的には購入した時に期待していたほどの情報はなく「まあそうだよね」という感じだった。mermaidなどの記法で仕様側の図も作図できるようにしたりとか、筆者が独自に定義したTrace index Diagramなどの図示と生成AIを活用した叩き台を併用して顧客に提案・説明する話は参考になる。

 

 

本質を捉えたデータ分析のための分析モデル入門 統計モデル、深層学習、強化学習等 用途・特徴から原理まで一気通貫!

最近書店の理工系コーナーにずらっと並びがちのソシムのこういう系の本で、有名な数理系VTuberの中の人が書いた本。このシリーズ表紙がカラフルでなんかいいですよね。

まずとにかくボリュームが凄い!筆者がコスパ最高と自身でおっしゃるだけのことはあり、だいたいの分データ析手法の心がのっている。広く浅くという感じではなく、広く可能な限り詰めてるという感じ。そして数理説明も手を抜いていないので、気を抜くと普通に???となってしまうので注意が必要。直観的な説明がちょこちょ挟まれていて、初めて触れる分野については特にありがたい。

 

 

この一冊ですべてわかる データサイエンスの基本

全国初のデータサイエンス学部でお馴染みの滋賀大学のチームが出した本。実際の学生たちが滋賀県にまつわる公的データなどを分析したものが出てきている。

データサイエンスの基本というタイトルの通り、やっていることは基本的な集計とかグラフによる可視化、主成分分析とかそんなところなんだけど『実際に存在するデータ』を使用しているためイメージがわきやすいのと、出てきたデータから何を解釈するかのプロセスを感じれるところがこの本のいいところだと思う。実際分析手法にかけるのは簡単なんだけど、その結果から何が読み取れるかを判断するのがデータ分析の難しいところだったりするので……。

 

 

 

エヌビディア 半導体の覇者が作り出す2040年の世界

一時期は世界時価総額1位になったこともある、間違いなく昨今の生成AIバブルでトップクラスでウハウハなエヌビディア様に関する本。

ゲーム業界向けの高性能グラフィックチップ開発から始まり、AI向けの半導体にシフトするまでの話やビジネスモデル・売上比率の話などは割とふむふむと読めた。筆者は記者なのだが、半導体原理の解説についてはこのレベルならネットで調べたらすぐわかるからいらんかな~と思ったのと日本の半導体凋落の話題も1章割かれているんだけどそこは筆者の主観と結果論的な話で全然納得感がなかった。

 

 

創業者が語るソディックの経営 顧客のために歩んだ発明の曰々

放電加工機などで知る人ぞ知るソディックの経営者が書いた本。読んでて自画自賛が多いのが気になるけど、実際元いた会社の子会社を自力で買い取ってソディックを創業し東証一部上場まで漕ぎ着けたガッツはめちゃくちゃすごい(てかそんな企業の例聞いたことない)。1代でゼロから会社を築いた人とはまた別の凄まじさがあると思う。

ビジネス的なところで見ると、放電加工機を始めマシニングセンタ、金属3Dプリンタなどの工作機械周辺の完成品はおろか、レーザやLED照明、ステージ用のセラミック材料、吸収合併した食品機械など本当に手広くすべてのフェーズの製品を内製化していてすごいなと思う一方、どこかの事業部が赤字とかになったり予算の振り分けが上手くいかなくて競合に後れを取ったりしそうで大変そうだな~と思った。あとソディックのオープンワークはめっちゃ評価低いので暇な時にでも見てみてください。

 

 

コンサルティング会社 完全サバイバルマニュアル (文春e-book)

結局コンサルファームに行くことをこの時には決めていたので、なんかAmazonのオススメに出てきたので買って読んでみた。

筆者がジュニアからマネージャーに至るまでのセクションでそれぞれやらかしたエピソードと教訓をベースに書かれてて読みやすくわかりやすい1冊になってる。プロジェクト管理を絶対だと思って協力会社のエンジニアともめまくっていたエピソードとか、マネージャーでプロジェクトを炎上させて計画遅延しまくったエピソードとかいてててて……となる話も結構あるので頑張って同じ轍は踏まないようにしたい。

 

 

工事現場に輝くオンナ

表紙の哀愁に惹かれてブックオフで購入。

いわゆる女性が工事現場に進出していく展開やゼネコンや専門業者ごとの取り組みについてまとめられている。93年であり、大林組のゼネコンとかはようやく男性の補助ではない総合職に女性を取り始めたところだったりして時代を感じる。一方、専門業者にあたる企業では女性を積極採用したり作業服をおしゃれで明るい色にしたり、など結構頑張っている企業が紹介されている。全体的に結構景気のいい話や取り組みが多いが、本書で紹介されていた93年時点で666名も新卒を取っていたという勢いある佐藤工務店が調べてみると財務管理甘すぎて潰れていたりと世知辛さを感じる。

 

 

女芸人の壁

時代による女性芸人と周囲の変化をテーマに数々の時代を代表する女性芸人にインタビューした連載と特別対談(Aマッソ加納2回目、上沼恵美子のコラム)をまとめたもの。
女芸人の女性性や時代の変化について、インタビューで自由に色んな女芸人から引き出しているがこの意見は本当に十人十色といったところで、時代によってまた異なった大変さがあるなといったところ。自分自身はお笑いを見ていた部分は00年以降なので、イケメンに絡む/ブスいじりをされるという女性芸人の属性を最も自然に見ていた世代かもしれない(定番の流れとして当時のバラエティではそういう役割の女芸人がいた)。これの扱いが最も過酷だったのはインタビュー受けていた中だとモリマンだろう。色々思うことはあったが、清水ミチコの既に結婚しており歳もいっていた、モノマネ芸人という枠にある種逃げたという話は興味深い。
内容が内容なだけに恐らくインタビューを受けてくれなかった女性芸人が沢山いるだろうと思うが、近年の芸人だとゆりやんレトリィバァ、ベテランだと友近、そして00年代バラエティ女芸人の筆頭格として森三中の話は聞きたかったところ。

 

 

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