階乗
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/26 00:29 UTC 版)
階乗を含む公式は数学の多くの分野に現れるが、階乗のおおもとの出自は組合せ論にある。相異なる n 個の対象の順列(k-順列)の総数は n! 通りである。
階乗はしばしば「順番を無視する」という事実を反映するものとして分母に現れる。古典的な例としては n 個の元から k 個の元を選ぶ組合せ(k-組合せ)の総数が挙げられる。このような組合せは順列から得ることができる。実際、k-順列の総数
階乗は数論にも多くの応用を持つ。特に n ! は n 以下の全ての素数で整除されねばならない。このことの帰結として、n ≥ 5 が合成数となる必要十分条件は
階乗の自然対数 f(n) = log(n!) のグラフをプロットしたもの。このグラフは一見して適当に選び出した n に対する一次函数で近似できそうにも思えるが、そのような直観は誤りである。 n が増えるにつれて、階乗 n ! は n を変数とする任意の多項式函数あるいは指数函数よりも早く増加する(ただし、二重指数関数よりは遅い)。
n ! の近似式の多くは自然対数
階乗函数は負の整数を除く任意の実数に対するものに一般化することができる。例えば * 0! = 1! = 1, * (−1/2)! = √π, * (1/2)! = √π/2. 負の整数を除けば、階乗関数は非整数の値に対しても定義することができるが、そのためには解析学の道具立てが必要である。そのように階乗の値を「補間」して得られるものの一つがガンマ函数 Γ(z) である(ただし引数が 1 だけずれる)。これは負の整数を除く任意の複素数 z に対して定義される。z の実部が正である場合には
複素変数に対する階乗の絶対値と偏角を、単位長さ間隔で −3 ≤ x ≤ 3, −2 ≤ y ≤ 2 の範囲で描いた等高線。太くなぞった等高線は φ = ±π である。 複素変数の階乗の値をガンマ函数による表現を通して評価することができる。絶対値 ρ と偏角 φ を用いて
- Hazewinkel, Michiel, ed. (2001), “Factorial”, Encyclopedia of Mathematics, Springer, ISBN 978-1-55608-010-4
- Weisstein, Eric W. "Factorial". mathworld.wolfram.com (英語).
- factorial - PlanetMath.
- http://factorielle.free.fr
- 階乗の計算