トランスファージェット【TransferJet】
TransferJet
TransferJetとは、ソニーが開発した近接無線通信技術の名称である。
TransferJetは、通信距離が3cmと極端に短く、非接触式ICカードのように機器同士を直接かざすことでデータ転送を行うになっている。接続方法はシンプルであり、通信対象に近接させればよい。事前の接続設定やアクセスポイントの確認などは不要である。また、至近距離で通信するため、他の無線技術の通信とは干渉し合わないというメリットもある。
TransferJetでは、高速なデータ転送速度も大きな特徴となっている。転送レートは最大560Mbps、実効レートでも375Mbpsの速度を実現する。例えば、MPEG4で記録した60分間の映像ならば数秒程度で転送できる。また、通信状況に応じた転送レートの自動調整も可能であり、通信状態が悪ければ低速モードにすることで通信の維持を優先できる。
通信には4.48GHzの周波数帯域が使用されている。この帯域は日本や欧米でも免許申請をせずに利用できる。
TransferJetでは、発信側(ホスト)と受信側(ターゲット)の関係がないため、デジタルカメラ同士が直接通信することなども可能となっている。モバイル端末を中心とした多種多様な機器の間で、音楽、画像、動画などのデータを手軽かつ高速にやりとりするためのインタフェースとして、期待されている。
TransferJetは2008年1月に初めて発表された。同年7月には、ソニーをはじめとして、キヤノン、日立製作所、東芝など15社からなる業界団体「TransferJetコンソーシアム」が発足し、TransferJetの相互接続仕様の確立や、製品・サービスの開発、普及・促進などを目指して活動している。
参照リンク
TransferJet 技術情報 - (Sony Japan)
新たな近接無線転送技術「TransferJet」を開発 - (Sony Japan)
TransferJet - (TransferJetコンソーシアム)
TransferJet
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/27 01:20 UTC 版)
TransferJet(トランスファージェット)は、2008年に一般公開された近距離無線転送技術である。データを転送したい相手に機器を直接「かざす」ことにより、無線特有の面倒な設定をなくし、煩雑な初期設定も不要にした。物理的なコネクターやケーブルを必要としない非接触型の高速インターフェースとして各種用途に利用できる。近接通信の基本コンセプトはソニーの提案であり、2008年7月に業界団体TransferJetコンソーシアムが国内外の15社で発足し規格の標準化作業が始まった。2009年3月には相互接続の基本となるPHY/MAC層を定義した規格が完成した。TransferJetのロゴと商標はTransferJetコンソーシアムが管理している。またこの規格は国際標準ISO/IEC 17568 として登録され、誰でも使える仕様として公開されている。
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