PDCAサイクルとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > PDCAサイクルの意味・解説 

ピーディーシーエー‐サイクル【PDCAサイクル】

読み方:ぴーでぃーしーえーさいくる

PDCA cycle PDCAは、plan-do-check-act(action)の略》生産・品質などの管理円滑に進めるための業務管理手法の一。(1)業務計画plan)を立て、(2)計画基づいて業務実行do)し、(3)実行した業務評価check)し、(4)改善活動act)が必要な部分はないか検討し次の計画策定役立てる


PDCAサイクル

1950年品質管理の父 エドワード・デミングによって提唱され考え方生産プロセス業務改善連続的なフィードバックツールとして発展した

業務遂行際し、「計画をたて(Plan)、実行しDo)その評価Check)にもとづいて改善Action)を行う、という工程継続的に繰り返す仕組み考え方)のことを言う。

業務流れ捉え評価次の計画活かして業務遂行をより高いレベルにもっていくことで、民間企業では品質向上や経費削減などに用いられる

業務管理をするマネジメントツールとして広く用いられている。

関連ページ
ワークプロセス領域

PDCAサイクル

フルスペル:Plan, Do, Check, Act cycle
読み方ピーディーシーエーサイクル
別名:PDCA

PDCAサイクルとは、マネジメント手法一種で、「計画」(Plan)、「実行」(Do)、「点検」(Check)、「改善」(Act)の頭文字をとったものである1950年代、エドワード・デミング(William Edwards Deming)らによって提唱された。単にPDCA呼ばれることもある。

PDCAマネジメントサイクル呼ばれる管理タイプ一種で、あるの管理プロセス反復することによって一連の管理としている。具体的には、業務計画作成計画則った実行実践結果目標比べる点検、そして発見され改善すべき点を是正する4つ段階繰り返すことで、段階的に業務効率向上させることができる。

PDCAサイクルは、製造業はじめとして様々な業務で、また大企業経営から従業員レベル業務まで広く応用されている。また、品質管理国際基準であるISO 9000ISO 14000などにも、PDCAサイクルの理念影響与えているとされる

企業活動のほかの用語一覧
ビジネス戦略:  ODM  OODA  PMP  PDCAサイクル  リーンスタートアップ  ロードマップ  SWOT分析

PDCAサイクル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/21 09:07 UTC 版)

PDCAサイクルの概念図

PDCAサイクル(PDCA cycle、plan-do-check-act cycle)とは品質管理など業務管理における継続的な改善方法。Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(確認)→ Act(改善)の4段階を繰り返して業務を継続的に改善する方法。主に日本で使われている[注 1]。AをActionとする場合もある[1]

PDCAを提唱したと言われるデミングは、CheckはHold Backという停止を意味することから好ましくないと晩年まで主張していた。PDCAはシューハート・サイクル(Shewhart Cycle)またはデミング・ホイール(Deming Wheel)とは関係がないとも証言をしている。没年には、CheckをStudy(研究)に置き換えたPDSAサイクルとすべきであると主張した[2]

概要

PDCAは繰り返されていく。

第二次世界大戦後、日本において、統計的品質管理をウォルター・シューハートの弟子エドワーズ・デミング日本科学技術連盟(日科技連)で講演した。この講演を聞いた日科技連の幹部がPDCAを提唱したとされる[2]

PDCAサイクルという名称は、サイクルを構成する次の4段階の頭文字をつなげたものである[3]

  1. Plan(計画):従来の実績と予測に基づいたブレインストーミングを行い、得たアイデアを取り入れた計画を策定する。
  2. Do(実行):計画に沿って業務を行う。
  3. Check(評価):業務の実施・成果が計画・目標に沿っているかどうかを評価する。
  4. Act(改善):実施が計画に沿っていない部分を調べて改善をする。

この4段階を順次行って1周したら、最後のActを次のPDCAサイクルにつなげ、螺旋を描くように1周ごとに各段階のレベルを向上(スパイラルアップ、spiral up)させて、継続的に業務を改善する。この手順に従う活動は本来的に、統計的品質管理(クオリティ・コントロール、QC)として工場でのQCサークル運動のツールであったが、多くのビジネス関係者がより広い経営活動一般に適用しようとしたため、PDCAの欠点や問題点が指摘されるに至っていた。

この解決のために、戦略の一般理論としてOODAループが提唱されている[4]トヨタ自動車は伝統的にPDCAサイクルを重視していることが知られているが、原田勉は、同社のいう「PDCAサイクル」は実質的にはOODAループに近いものであると指摘している[5]。またOODAループやその応用としての機略戦理論の考案者であるアメリカ空軍ジョン・ボイド大佐も、PDCAサイクルの例である日本トヨタ生産方式について、ビジネスにおいて機略戦理論を先取りした例であると述べている[6][注 2]

Check

Checkはパフォーマンス評価をおこなう段階である[7]

プロダクトプロセスの情報を収集し、長期方針・中期目標・仕様・計画を基準として評価をおこない、それを改善行動 (Act) のために報告する[8](参考: インテリジェンス)。Checkは計画通りに実行できたかの単なる確認ではなく、より長期の方針・目標を基準とした方向性のズレを計測して方向修正のためのインテリジェンスを得る段階である(参考: スクラム#検査)。

応用

PDCAサイクルの考え方は、品質マネジメントシステム ISO 9001、環境マネジメントシステム ISO 14001、情報セキュリティマネジメントシステム ISO 27001、個人情報保護マネジメントシステム JIS Q 15001などに用いられている。

労働安全衛生マネジメントシステム ISO 45001でも、上記のISOと同様にPDCAサイクルを活用して危険の元凶となる事柄を特定し、リスクアセスメントを行うことによってリスク低減を継続的に実施している。

脚注

注釈

  1. ^ アメリカでは日本企業の工場でPDCAが使われている。日本では独自のPDCAの書籍が多く出版されている。
  2. ^ ボイドはその著作の大部分を完成させた段階でこのことを知り、新郷重夫大野耐一の著作に関心を抱くようになった[6]

出典

  1. ^ 入江 2018, pp. 024–025.
  2. ^ a b 入江 2018, pp. 063–064.
  3. ^ 入江 2018, pp. 023–024.
  4. ^ 入江 2018, pp. 066–067.
  5. ^ Richards 2019, pp. 329–341.
  6. ^ a b Richards 2019, pp. 13–18.
  7. ^ "図2 ... PDCAサイクルとの関係 ... パフォーマンス評価 Check" p.3 of JIS Q9001
  8. ^ "方針,目標,要求事項及び計画した活動に照らして,プロセス並びにその結果としての製品及びサービスを監視し,(該当する場合には,必ず)測定し,その結果を報告する。" p.4 of JIS Q9001

参考文献

関連項目


PDCAサイクル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/08 15:29 UTC 版)

ISO 10002」の記事における「PDCAサイクル」の解説

詳細は「PDCAサイクル」を参照 ISO 10002ISO 9000ファミリー規格であり、その中核に担うISO 9001同様の品質マネジメントシステムモデルを採用している。すなわち、計画箇条6)、運用箇条7)、分析改善箇条8)の項目により、いわゆるPDCAサイクルによる苦情対応の改善を図るものとなる。

※この「PDCAサイクル」の解説は、「ISO 10002」の解説の一部です。
「PDCAサイクル」を含む「ISO 10002」の記事については、「ISO 10002」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「PDCAサイクル」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「PDCAサイクル」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

','','','','','','','','','','','','','','','','','',''];function getDictCodeItems(a){return dictCodeList[a]};

すべての辞書の索引

「PDCAサイクル」の関連用語

1
ビー‐ピー‐エム デジタル大辞泉
96% |||||










PDCAサイクルのお隣キーワード
検索ランキング
';function getSideRankTable(){return sideRankTable};

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



PDCAサイクルのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
人事コンサルティングのアクティブ アンド カンパニー人事コンサルティングのアクティブ アンド カンパニー
Copyright© 2025 Active and Company Ltd. All rights reserved.
ISO用語辞典ISO用語辞典
2025 (C) JMC Corpyright All Rights Reserved
株式会社ジェイエムシーISO用語辞典
IT用語辞典バイナリIT用語辞典バイナリ
Copyright © 2005-2025 Weblio 辞書 IT用語辞典バイナリさくいん。 この記事は、IT用語辞典バイナリの【PDCAサイクル】の記事を利用しております。
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのPDCAサイクル (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、WikipediaのISO 10002 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS