ひまわり6号
名称:運輸多目的衛星「ひまわり6号」(MTSAT-1R)
小分類:地球観測衛星
開発機関・会社:スペースシステムズ・ロラール社/国土交通省(気象庁および航空局)
運用機関・会社:国土交通省(気象庁および航空局)
打ち上げ年月日:2005年2月26日
運用停止年月日:周回中
打ち上げ国名・機関:日本/宇宙航空研究開発機構(JAXA)
打ち上げロケット:H-IIAロケット7号機
打ち上げ場所:種子島宇宙センター
国際標識番号:2005-006A
日本の気象観測は、静止気象衛星GMS(ひまわり)シリーズ(5号)が(一部中継機能を残して)運用を停止した2003年5月以降は、 バックアップ用としてアメリカの気象衛星ゴーズ9号をレンタルして補っていました。その観測を引き継ぐべく打ち上げられたのがMTSAT-1Rで、のちに「ひまわり6号」と命名されました。従来のGMSシリーズと比べると、多様な情報を高精度で観測する高性能な「運輸多目的衛星」といえます。2005年6月28日から気象ミッションの正式運用を開始しました。
1.どんな形をして、どんな性能を持っているの?
太陽電池パネル、アンテナ部を含み、全長33.1m。3軸姿勢制御方式。設計寿命は、気象ミッション5年、航空ミッション10年です。気象衛星ひまわり、ひまわり2号、ひまわり3号、ひまわり4号の観測に使用されたイメージャー(センサー)は、赤外/可視の2チャンネルでした。ひまわり5号に至り、従来の赤外チャンネルを2つに分割し、新たに水蒸気チャンネルが加わりました。ひまわり6号ではさらに、近赤外チャンネルが装備されています。これまでできなかった新たな波長での観測、高品質の画像取得、気象観測の精度向上、天気予報のレベルアップなどが期待されています。次世代の航空システムCNS/ATMでは、ひまわりの通信機能を利用して航空機と管制機関が衛星通信で結ばれ、地形による影響はなくなります。気象データ、航空情報、フライトプランなどを機上の飛行管理システムに直接送信することもできます。
2.どんな目的に使用されるの?
多目的衛星の気象ミッションとしては、ひまわりシリーズ、ゴーズ9号のミッションを受け継ぎ、日本の気象観測全般にデータを提供します。気象観測用のセンサーを多チャンネル化すること等で、気象観測の精度向上、天気予報のレベルアップなどが期待されます。航空ミッションとしては、高い信頼性、運用の継続性が求められる次世代の航空管制システムに利用されます。衛星の障害時や地震などの災害による地上施設(神戸、常陸太田)の不具合時に管制通信が継続して運用できるよう、2機の衛星(MTSAT-1R/MTSAT-2)と2つの地上施設で構成される信頼性の高いシステムとなる計画です。
3.宇宙でどんなことをし、今はどうなっているの?
2005年2月に種子島宇宙センターから打ち上げられたMTSAT-1R(ひまわり6号)は、5月31日から観測画像の試験配信を開始しました。センサーの多チャンネル化等により、これまでの衛星より明らかに高解像度のイメージを取得できることが証明されました。6月28日に気象ミッションの正式運用が開始され、2005年12月をめどに航空ミッションが開始されることになっています。MTSAT-1Rは国際標準に適合しており、インマルサットなどの既存の衛星システムと相互に運用することも可能となっています
4.このほかに、同じシリーズでどんな機種があるの?
気象衛星としては「ひまわり」(GMS)、「ひまわり2号」(GMS-2)、「ひまわり3号」(GMS-3)、「ひまわり4号」(GMS-4)「ひまわり5号」(GMS-5)がありますが、「ひまわり6号」(MTSAT-1R)は、気象ミッション+航空ミッションの運輸多目的衛星として、旧来のGMSシリーズよりも高性能の衛星といえます。MTSAT-1Rをバックアップする目的で、2006年2月18日に「ひまわり7号」(MTSAT-2)を打ち上げました。
5.どのように地球を回るの?
東経135度、140度(気象ミッション用)、145度の各赤道上、高度3万5,800kmの静止軌道です。
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